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INTERVIEW

Japanese

cinema staff

2015年04月号掲載

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Member:辻 友貴 (Gt) 飯田 瑞規 (Vo/Gt) 三島 想平 (Ba) 久野 洋平 (Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-cinema staffのような喜怒哀楽や人間性が出た楽曲を作るバンドにおいて、メイン・コンポーザーが自信を持てるようになったことは、ものすごく大きな変化だと思います。今までは三島さんにお話を伺っていても、自信に満ちた答えが返ってくることがあまりなかったから。

三島:やっぱり、1周して"自分だけじゃどうしようもない"と開き直ったところもあると思いますね。それはすごく建設的というか、気づきも多くて。だから2014年はミュージシャンとしてとても素晴らしい1年を過ごさせてもらって"自分たちはまだまだやれる"感が復活しました。『望郷』がああいう(自分の持っているイメージをバンドで表現するという)作り方をしたけれど、そのあとにどうしたらいいかわからなくなってしまって、『望郷』の延長で作品を作るという自信は砕かれたんです。でも......そうじゃないほうがいいんだな、と思えたんですよね。"バンドで作るとはどういうことだろう"というのを見つめ直したし、"バンドとしてはその在り方のほうがすげえいいじゃん! それがバンドじゃん!"と思えてる。だから今、すごく清々しいんです。

久野:今までは"三島が持ってきたものに対してどう応えるか"を重視してたんですけど、それが自分のやりたいことと違った場合、両方の折り合いをつけていくことが多くなると、ぶれてきちゃうと思うんです。だから今回は作り出す段階から"自分はこういうことがやりたい"と言うようにしようと思って。そうすると自分の思った方向に行くことも勉強になりました。「シャドウ」も"気持ちがこもる曲がやりたい"という話をしていて完成して、みんなが"これだよこれ!"と思うことができて。そうするとみんな同じ方向を向けるし、僕は単純に作りやすいし、やりやすいです。

-三島さんが基盤の曲作りをするけれど、そこに全員の主張がしっかり入れられるようになったんですね。

三島:そのときそのとき瞬間瞬間で自分がやりたいことを出すのではなく、依頼をもらって作るような、作家的な作り方と近いところがあるので、僕個人としてはすごく大変なんですけどね(笑)。でも自分主導でやっていくとエゴになるし、僕もそれがやりたいわけじゃない。みんなからの意見をもらって僕が作って、バンドだからそれをみんながさらにフォローしてくれる。そういう形はすごくいいですね。今後のことを考えるのが楽しいです。

-そうですね、とてもcinema staffの未来が楽しみになるアルバムでした。今後の活動も楽しみにしています。cinema staffはもちろん、三島さんが代表を務める岐阜で開催する自主企画フェス"OOPARTS"や、辻さんと三島さんがやっている別バンドpeelingwardsも、飯田さんの弾き語りの活動も。

飯田:cinema staffじゃない活動もどんどんやっていきたいです。やっぱりひとりで弾き語りでライヴをしにいくのは、バンドで行くのと全然気持ちが違うんですよ。そういうことが影響して、自分が変わっていくことを確実に肌で感じて、それがすごくいいなと思って。『blueprint』はそういう意味を感じられるアルバムにもなったと思います。

-本当にそう思います。久野さんはサポート・ドラマーだけでなく、去年は久野さんの描いたイラストがシールになったりなど、持ち前の画力を生かした活動もありましたし。

三島:(※久野に向かって)グッズのデザインとかやってみればいいんじゃない?

久野:暇なときに絵を描いたりはしてるんですけど、具体的に何がしたいとかはないんです。気が向いたときにああいうことをしたんで、気が向いたら何かするかもしれません(笑)。言ってしまえばドラムだって気が向いたから始めたし。

三島:その性格、とことんクリエイターに向いてないなあ(笑)。

飯田:ははは。"やらないと"と思ったら急に楽しくなくなっちゃうからね(笑)。

久野:やりたい!と思ったときにやります(笑)。

-楽しみにしています(笑)。残響shopは今年の5月に閉店してしまいますが、辻さんはCD/レコード屋さんを立ち上げるご予定だそうですね。だいぶ思い切った決断だと思います。

辻:やろうと思ってます。1回そういうものをやってみてもいいかな......と思って。LOSTAGEの五味さんの影響もあります(※LOSTAGEの五味岳久は、地元の奈良県奈良市で2012年から中古メインのレコード/CDショップ"THROAT RECORDS"を経営している)。残響shopはもともとあったところに自分が入って店長としてやってきたので、次は全部自分で責任を取れる範囲でやったほうがいいんじゃないかなと思って。"やろう!"とは決めたけど、まだ漠然としたイメージしかないんで、全然始まっていないんですけど、物件は探し始めていて。明日も内見に行ってきます。

三島:......仮にも我々はメジャー・アーティストなんですけどね(笑)。このスケジュールで店をやる、というのも前代未聞だと思います。そういう活動が、また音楽に出てくると思いますね。cinema staff以外の活動も、すべてcinema staffのためなので。それをやらせてもらえる環境があるからそれは......言い方は悪いけど、利用したい(笑)! それが自分の人生の肥やしになると思っています。一生音楽やりたいし、一生知識は増やしたいし、勉強したい。本当に今、ありがたい環境にあると思います。30までにその土台をガチッと固められるようにしたいですね。