Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

SCOOBIE DO

2015年04月号掲載

いいね!

Member:コヤマ シュウ(Vo) マツキ タイジロウ(Gt) ナガイケ ジョー(Ba) オカモト“MOBY”タクヤ(Dr)

Interviewer:天野 史彬

今年、結成20周年を迎えるSCOOBIE DOが、その20年を記念したオールタイム・ベスト『4×20 ~ 20 YEARS ALL TIME BEST』をリリースする。CD3枚とDVD1枚に刻まれた、ひとつのバンドの物語。ここには、4人の男が音楽と共に歩んできた誰とも違う道のりが、そしてリズム&ブルースに端を発し、ファンクやソウルなど海の向こうで生まれた音楽が、この日本で生きる私たちの心を歌う音楽にだってなり得るんだという証明が、深く刻まれている。昨日より今日を、明日よりも今を、その刹那を思いっきり泣いて笑って踊ってきた彼らの偉大なる足跡に、今こそ僕らは出会うべきだろう。

-さすがに結成20周年ということもあって、CD3枚にDVD1枚という、大容量のベスト盤ですよね。歴代の名曲群はもちろんなんですけど、DISC 3のレア音源集とか、たまらなかったです。まず、ご自分たちでこの20年の道のりを振り返ってみて、どんな心境ですか?

マツキ:まぁ、振り返るも何もっていう感じですけどね。気がついたら20年経っていたという感じで。でも、このベスト盤を聴いてみて、"やりたいことが特殊なバンドだなぁ"っていうのは自分でも思いましたね(笑)。わかりやすい音楽をやっているわけではないけど、逆にいうと、他にやってる人がいないものだなって思ったし。とにかく好きなことばっかりやってきた20年だったんだなっていう感じはしますね。

コヤマ:俺はね、去年の春ぐらいに"Root & United"のスペシャルをやって、そのあたりでちょうど1,000本目のライヴが京都であったのよ。そのぐらいの時期にね、そのときまでは結成してからずっと地続き感があったんだけど、その感じがなくなって、スコーンって切り離された感じがあった。なんでかはわからんけど。だから今は、"20年を振り返って"っていう感じでもなくて、"次はどうしようか?"とか"次はどうなるんだろう?"っていう気持ちだね。新しい感じですよ。生まれたて感があります。

-結成から20年近く経った地点で、過去よりも未来が見え始めたんですね。

コヤマ:でもね、どこを目指そうっていう感じでもないんだけどね。例えばロケットがドーンと飛んでいくと、どんどん部品が外れていくじゃないですか。そんな感じですね。"今まで俺たちが行ったことのない場所に行くんだなぁ"っていう、始まり感があります。だから今は、昔のことはあんまり考えないね。

-なるほど。ナガイケさんは?

ナガイケ:僕は20年やってないっていうのがまずあるんですけど(笑)。でも、14年前くらいにSCOOBIE DOに入ってから、あんまり気持ちの面では変わってない気がしますね。結局、ライヴでバシャー!ってやってるんだなっていうのは、今もそんなに変わっていないので(笑)。もちろん演奏面とかの細かいことは変わってきたと思うんですけど、やりたいことに変化はないような気がしますね。だから続けているのかなっていう気もしますし。あとはまぁ、20年間って......長いっすね(笑)。

マツキ&コヤマ&MOBY:ははははは!(笑)

ナガイケ:"ようやってるわ!"っていうのが率直な気持ちですね(笑)。やっぱり、20年と14年の、この6年の深さは絶対に違うものがある気がするんですよ。なので"20年間、お疲れ様です"っていう感じですね。僕個人としてはメモリアル感があんまりないので、ファンのみなさんと一緒にお祝いできたらいいかなっていう(笑)。ただ、今回のベスト盤に関していうと、新曲の「新しい夜明け」は、いい曲できてよかったなって思います。今までで1番いい曲って感じするし。それが単純によかったなって思います。

-MOBYさんは?

MOBY:僕は結成した1995年からの手帳を全部持ってるんですよ。それで調べたんですけど、SCOOBIE DOは95年の7月とか8月くらいから始まっているんですけど、僕は95年の12月27日に初めてリハに入っているんですよね。だから僕も、一応20年はいるっぽいんですよ(笑)。でもそのころから、あんまりテンションは変わってないというか。学生がバンド始めて、"なんか楽しいことねぇかなぁ、バンドのためになんかやることねぇかなぁ"ってずっとやっていたら、いつの間にか今日に至ってるっていう。いい意味で、学生気分のままずっとやってる感じなんですよね。2006年に"CHAMP RECORDS"を立ち上げてから僕らは自分たちでやり始めたんですけど、それも別に、"バンドのためだしなぁ"っていう。楽しいことをするためにやらなきゃいけないことをやり続けて、それが積もり積もって今回のベスト盤に繋がったっていう感じで。まぁ、このベスト盤は、最近で言うところの"NAVER まとめ"ですね。

-(笑)MOBYさんとマツキさんは、コヤマさんがおっしゃったような、ひとつの区切りがついた感じはありましたか?

マツキ:僕はそういう感じは......ないかなぁ。常に次のことを考えなきゃいけないし、ここで抜けたっていうことはあんまり考えられなくて。次はどうしようかな、何を作ったらいいかなっていうのは常にあるけど......ただ、ライヴが楽しくなってきた感じはありますね。ずっとライヴは楽しかったけど、"楽しい"のクオリティが上がってきたというか。俺らだけが楽しいんじゃなくて、来てくれた人に届いた瞬間っていうのが、昔よりもリアルに感じられるようになってきていて。それは、そういうライヴをできるようになってきたのか、それとも感覚が研ぎ澄まされてきたのかっていうのはわからないんだけど、リアルな手応えは昔よりも上がってきてる感じはしますね。それは去年からっていうよりも、徐々に徐々にですけど。

MOBY:僕は、今年の10月4日にやる野音ワンマンの日程を取れたときに、変わるというか、"変えられるな"とは思いましたね。野音って、ほんとに抽選なんですよ。一般の企業とかも全部含めて一斉に抽選するんですけど、それが取れて、それを去年のツアー・ファイナルのO-EASTで発表したときに、"いろいろな風向きをいい方に変えられるかな"とは思いました。バンドマンというよりはマネージャーとしての意見かもしれないですけど(笑)。2006年の6月25日に10周年の野音をやってるんですけど、その1週間後に僕らは事務所もレーベルもクビを切られて。それから――これはポジティヴに自分に言い聞かせてるんですけど――いつかお膳立てをしてもらう形じゃなくて、自分たちの力で野音をやってやるってずっと思ってきたので。それを、この20周年の区切りで準備することができたっていうことで、これからまたスイッチは変えられるんじゃないかと思いましたね。だから、去年の10月の野音の抽選の日に、何かは変わったかもしれないです。