Japanese
SCOOBIE DO
2015年04月号掲載
Member:コヤマ シュウ(Vo) マツキ タイジロウ(Gt) ナガイケ ジョー(Ba) オカモト“MOBY”タクヤ(Dr)
Interviewer:天野 史彬
-たしかに、SCOOBIE DOの音楽を求めている人の多くの実感も、そこにあるのかもしれないですよね。
コヤマ:だって、音楽自体はいろいろあるもんね。さっき言ってくれたように鼓舞するような曲もあれば、ただエロいだけの曲もあるしさ(笑)。真っ当なラヴソングもあるし。曲の方向性はいっぱいあるんだけど、恋愛だけを歌いたいとか、メッセージ・ソングだけを歌いたいっていうわけでもなくて。4人でドカーンと鳴らしたときの得体の知れないエネルギーみたいなものがいいなと思うんですよ。ロック・バンドはそうあるべきだと思う。聴いてくれている人にとって、そういうものだったらいいなと思いますね。
-わかりました。今回のベスト盤には、スカパラホーンズ(※東京スカパラダイスオーケストラのNARGO(Tp)、北原雅彦(Tb)、GAMO(T.Sax)、谷中敦(B.Sax))を迎えた新曲「新しい夜明け」も収録されていますけど、スカパラは音楽性的にも共振する部分は少なからずあると思うし、盟友意識もあるんですか?
マツキ:そうですね。スカパラは、僕らからしたら大先輩だけど、同じスーツ・バンドだし、出てきているところが近いんですよね。あの人たちはモッズ・カルチャーからスカをピックアップしてバンドを組んでるけど、僕らも少なからずモッズ・シーンに片足を突っ込んだところからバンドを始めているので、バンドの成り立ちにシンパシーを感じるし、今の彼らのライヴのスタイル――パーティ・バンドとしてフロアを巻き込んでいくスタイルは、僕らも影響を受けていて。スカパラホーンズは、2004年に『パレード』っていうシングルで一緒にやってもらって、その後もアルバムで何曲か参加してもらったし、ライヴにも参加してもらったことがあって。それ以来ちょっとご無沙汰だったんですけど、せっかく20周年のベスト盤に収録する新曲なので、これはスカパラホーンズにお願いしたいなと思ったんです。スカパラホーンズって、北原さんのホーン・アレンジが唯一無二なんですよ。あのホーンのメロディの感じって、スカパラにしかできないなって思うし、「新しい夜明け」は曲としても明るくて元気のいい、SCOOBIEらしい曲ができたので、これは絶対にスカパラホーンズにやってもらいたいなと思って、お願いしました。
-この曲の"追いかけても 逃げ出しても 永遠を選べないから/この一瞬を 抱きしめたい 君となら何度でも生きて行ける"というラインは、SCOOBIE DOのバンドとしての生き様そのもののような歌詞ですよね。永遠じゃなくて、その瞬間瞬間を追い求め続けてきたからこその20年なのかなって、すごく感じました。
マツキ:この曲は、20年間やってきたけれど、とにかく自分たちだけの力じゃないなっていうところを曲で表現できたらいいなって思ったんです。自分たちプラス、いつも手伝ってくれるスタッフだったり、いつもライヴに来てくれる人、CDを買ってくれる人......僕らが"プラスワンモア"と呼んでいる人たちと共に20周年を迎えて、次の21年目以降に向けて歩き出せたらなって思って。
-じゃあ、この曲で歌われる"君"という言葉は、SCOOBIE DOにとっての"プラスワンモア"の人たちを指している言葉でもあるわけですね。
マツキ:そうですね。そういうことを歌える、デカい曲ができたなって思います。
-わかりました。最後になんですけど、みなさんの中で"続けてきてよかった"と思える瞬間はあったりしますか?
マツキ:今、この瞬間も思ってますね(笑)。バンドマンであること自体が特別なことだと思うから。
ナガイケ:やっぱり20年やっていても、"この間初めてライヴ観ました!"って言ってくれる人は常にいるので、その意見をもらうと、やっててよかったって思いますよね。
MOBY:誰かに押しつけられてやってることじゃなくて、自分たちで選んでやってることなのでね。それで飯は食えているので、それは本当にありがたいことだなって思いますね。それを仕事にしていて、でも実際はあんまり仕事とも思ってなくて(笑)、いい感じで公私を混同しながらやってこれているので、それはすごくありがたい状況だなって思います。まだまだそれが面白くできたらなって思いますね。
コヤマ:うん......"続けてきてよかったな~!"って実感することはないんだけど、どういうことなのかと考えれば、ライヴをやれていることが俺にとっては続けてないとできないことだから、ライヴをやるたびにそう思ってるんだろうなって思います。1番新しいライヴは何度も来るんですけど、その新しいライヴをやるたびに、"これは続けてないとできないことなんだ"って思いますね。......実際、今ももう、この先のことを考えようとしていて。来年はどうしようかとか話はしているんだけど、結局、10月4日の野音までしか考えられないんだよね。だから、そこまで全力でやりますよ。そこまで全力でやったらきっと、その先もバンドやれるだろうって思う。
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