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INTERVIEW

Japanese

amazarashi

2014年11月号掲載

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Member:秋田 ひろむ (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-"諦めの悪い人間"は"馬鹿な人間"かもしれませんが、そういう人間だからこそ希望が掴める、と信じています。

その通りだと思います。「穴を掘っている」の主人公は"その後におよんで諦めの悪い人間"で、最悪な状況に落ち入ってなお諦めてない自身を自嘲気味に"諦めは早けりゃ早いほうがいい"と言ってるんです。主人公は悪人なので、悪人に似合った希望を少しだけ入れようと思って作りました。

-「雨男」は悲しみの象徴のようなものだった"雨"がとても優しいものとして描かれているのが感動的でした。どういう想いや状況から生まれた曲なのでしょうか?

僕が失敗してへこんでたときにできた曲です。未だにこんな落ち込むことあるかと思いつつも、そもそもそういうところからamazarashiは始まってたわけだし、という気持ちで書きました。歌詞に出てくる友人とのちょっとしたやりとりとか、心が動かされる瞬間があれば、まだ頑張っていけるという歌です。

-「もう一度」も決意表明のようでもありますが、「後期衝動」もそう感じました。"理想論、嘲笑うのは誰だ 歌手は理想を歌うのが常だ"という言葉がありますが、秋田さんご自身がそう人から言われるということですか?

どちらかというと自分の被害妄想というか、綺麗ごとばっかり言いやがってみたいな自分がいて、そういうものに反抗してる気持ちです。僕にとっての仮想敵というか。

-理想を語ると笑う人はたくさんいて、そういう人に傷つけられることも多いと思いますが、どうやってそれを乗り越えてらっしゃいますか?

どれだけ自分の気持ちがたしかかっていうのが大事だと思うんですが、気持ちをたしかなものにするために、筋道立てて考えるのが1番近道な気がします。僕は歌でそれをやっている気がします。

-前回のメール・インタビューで秋田さんは"昔の僕は死なないための理由をずっと考えていたので、諦めないことが前提としてあって、その理由を無理矢理探す、みたいな。諦めたら生きる理由がなくなってしまう"とお返事を下さいましたが、「ヨクト」でも"生きたいよもっと"という言葉がありますね。秋田さんがそこまで"生"について強く思う理由はなんでしょうか?

放っておいたら死にたくなる瞬間があって、それにはストッパーが必要で、それが僕にとっては生きる理由を探すっていう作業で、それを死にたくなるたびやってきたので、こんなに生きるっていうことに関した歌が多くなったんだと思います。

-「生活感」は右のスピーカーと左のスピーカーでふたりの秋田さんが会話をしているようなアプローチが新鮮でした。

「生活感」はファンタジーと現実の境目についてのポエトリー・リーディングなんですが、非現実な表現ができたらいいなと思ってこうなりました。別の人に喋らせたりいろいろ試したんですが、僕自身がふたりいる、みたいな非現実感が出せたんじゃないかと思います。

-「ひろ」は"どんな暗闇でも 照らすような強い言葉 ずっと探して歩いて ここまで来ちゃったよ"という言葉が感動的でした。秋田さんはそういう言葉が見つかりましたか?

「ひろ」は19歳で死んだ僕の友達で、"ひろ"に向けた手紙の様な気持ちで作りました。僕も大人になったので、昔を振り返って今現在の立ち位置を確認するような歌になったと思います。僕自身の暗闇を照らす言葉は見つかりました。これからも強い言葉を歌える歌手でありたいです。

-"19歳"の秋田さんはどんな生活をなさっていましたか?

"ひろ"とはバンドを一緒にやってて、彼はドラマーだったんですが、ひろが死んだことでやることがなくなって、フラフラしてた時期でした。当時の彼女が東京に住んでたので、転がり込む形で東京に行ったり、青森に帰ったりを繰り返してました。ひろが死ぬ前は夢に向かってがむしゃらな若者だったと思います。

-今回のアルバムで、amzarashiはずっとこういうアルバムを作りたかったのかもしれない、やっと辿り着くべき場所に辿り着いたのではないだろうか、と思いました。

そうですね。言いたいことは全部吐き出しました。これでもかっていうくらい詰め込みました。胸を張って"これがamazarashiです"と言えるアルバムになりました。

-今後ご自身がやりたいこと、続けたいことなどは見えてきていますか?

音楽はずっと続けていくんですが、今回やりたくてやれなかったこともあったりして、それをやるためにはamazarashiがもっと大きくなる必要もあったりして、そこは頑張りたいなと思ってます。具体的に言えなくて申し訳ないんですが、amazarashiが素晴らしい作品を発表し続けるために努力します。