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INTERVIEW

Japanese

amazarashi

2014年11月号掲載

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Member:秋田 ひろむ (Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

-ありがとうございます。ではアルバム『夕日信仰ヒガシズム』について伺います。構想が浮かんできたのはいつごろだったのでしょうか?

前作『あんたへ』ができて、曲作りを始めたのは約1年前で、アルバムを意識したのは今年前半くらいでしょうか。2月3月くらいから構想を練りはじめたと思います。

-久し振りのフル・アルバムですが、秋田さんにとってミニ・アルバムにおいてとフル・アルバムにおいてと、解釈の違いはありますか?

自分の中ではないです。曲が多く入る分、バリエーションは増やしたいなとか、テーマはちゃんとあった方がいいかなとか、ちょっと身構える部分はあると思います。

-"夕日信仰ヒガシズム"という言葉にはどういう想いが込められているのでしょうか?

僕の主義、イズムという意味で名付けました。僕の家は西日が眩しいんですが、時々真っ赤で綺麗な夕日が見えることがあって、そのときに子供のころを懐かしんだり、ちょっと切なくなる様な瞬間があって、それは一体何故なんだろう、っていうのがこのアルバムの出発点です。amazarashiは「アノミー」とか「性善説」で社会規範の崩壊をテーマにしてたんですが、今回は僕自身の社会規範という意味もあります。

-今回のアルバムを聴いて、秋田さんのパーソナルな世界に、たくさんの登場人物や人の気持ちが出てきているような気がしました。

今回は生活について歌いたいっていうのもあって、より身近な、手の届く範囲でのパーソナルな内容になったと思います。僕にとって大事なものとそうでないものが、よりはっきりしてきたので、そういう気持ちが表れてると思います。

-他者の存在があることで、よりamazarashiの音楽に物語性が増して、壮大になったと思いました。

そうであれば嬉しいです。僕自身はわりと日記のような感じがしてて、身近なことを歌ったので生活感出すぎかなとも思ったんですが、自然な流れでこういう曲たちができたので、自分らしいアルバムになったと思います。

-「ヒガシズム」で夕日になり、「スターライト」から夜になっていくような印象もありました。"夜"というのは制作においてキーワードのひとつになっていましたか?

そのへんの流れもちょっと意識してて、ポエトリー・リーディングの「夜の一部始終」も含め、リスナーが入り込めればなと思って考えました。夕日が沈むことを死に例えて、1日を人生としたら、夜は生まれて間もない時間帯、という視点もあります。

-夕暮れ~夜~25時(「穴を掘っている」)~朝焼け(「それはまた別のお話」)は、秋田さんにとってどんな時間でしょうか?

24時過ぎくらいが僕にとって1番頭が働く時間で、そこでamazarashiに関するいろんなことが生まれることが多いです。ただ酔っ払ってたりもするので、次の朝見たら酷いことも多くて。でも作ってる瞬間は本気でいいと思ってるんですよね。

-「もう一度」は"駄目なりに燃やして描く未来が 本当に駄目な訳ないよ"など、とても勇気付けられる楽曲でした。

この曲は今の僕が昔を思い出しながら作った曲です。amazarashiを始めたころの気持ち、ハングリー精神とか怖いもの知らずだったところとか、そういう気持ちをもう1度思い出したいと思って作った曲です。

-"雨曝し"という言葉が出てきますが、やはり曲中にバンド名を出すというのはそれだけ大事な楽曲だと思いますし、ご自身のことを歌ってらっしゃるのだろうなと思いました。決意表明でもあるのでしょうか。

決意表明だと思います。昔があって今があるっていう当たり前なことも、忘れがちになってしまうので。

-「穴を掘っている」で"諦めは早けりゃ早いほうがいい""諦めの悪い人間になってしまうぜ"とありますね。非常に個人的なことで恐縮なのですが、私は諦めがとても悪い人間なので、苦しい毎日の中でたまに訪れる些細な喜びで大きく感動して、もっといけるかもしれない、とどんどん諦められなくなっています。秋田さんはいかがでしょうか?

僕も諦めは悪いです。1回音楽で挫折したのに未だに続けてますし。