Japanese
cinema staff
2012年09月号掲載
Member:久野 洋平 (Dr) 飯田 瑞規 (Vo/Gt) 辻 友貴 (Gt) 三島 想平 (Ba)
Interviewer:沖 さやこ
-他の楽器はいかがですか?
久野:ドラムは曲によって録り方を変えたりとか。エンジニアさんと相談しながらこの曲はこういう音が合うんじゃない?って。具体的に言うと、バスドラムの打面に500円玉貼ってみたりとか。バスドラムの前を開けてみたりとか。いろいろ録り方変えて、音色変えたりしてますね。
-Track.4「her method」からTrack.5「warzsawa」の流れ……この辺からスイッチが入ったかのようにどんどん音が深くなっていくというか。「奇跡」が示したものがとても具体的なのに対して、ここを境にどんどん楽曲の持つ空気が曖昧になっていきますよね。
三島:そうですね、ふわっとしていきますね。最初それがどうなんだろう? って自分の中で思ってたんですよね。けど、結果的にはこれがベストなんじゃないかなと思います。どんどんいい意味でも悪い意味でもディープになっていくというか。深層心理に近づいていくというか。考える方に行く感じではありますね。
-曲順はだいぶこだわってらっしゃるんでしょうか。
飯田:そうですね、こだわりますね。「warzsawa」が1曲目だとアルバム全部を受け付けない人もいると思うんですけど、「奇跡」からちゃんと聴いてもらえれば、ちゃんと「warzsawa」に行く頃にはこの曲を聴ける精神状態になってると思うし(笑)。
三島:曲順でそんな考え方、聞いたことないな(笑)。
-(笑)。でも曲順はこれまでのcinema staffの作品の中でも抜群だと思います。ラストの「salvage me」はコーラス・ワークやラストの風鈴の音などで、もう夢だか現実だか分からないまま、その余韻に浸るというか。
三島:スケールは確かにあると思いますね。風鈴は僕らのアイディアではなく、エンジニアの人が勝手に付けたんですけど(笑)。結構自分からアイディアを出してくる人で、良くも悪くもアレンジにまで口を出してくるんです(笑)。でもそれが面白い方向に行くことが多くて。任せてみたらああいうのを持ってきたんで“ああ面白いですね”って。僕の中にあったコーラス4声でアウトロに抜けていくイメージはバッサリ切られました(笑)。
一同:(笑)。
-アルバム・タイトルの『SALVAGE YOU』と、この曲のタイトル「salvage me」は、似て非なるもの同士ですが、この2つはイコールにはなるのでしょうか。
三島:……これは、イコールにはならないですね。この曲はずっと仮タイトルのまま進んで、最後に曲順が決まってようやく正式に「salvage me」って付けたんです。もともと歌詞の内容も第三者的目線だったんですけど、それを一人称的に変えたんですよね。自分がどう思ってるかっていう風に変えたら……そう思って書いたわけじゃないのに自分の状況と重なったんです。自分がどう思ってるかっていう曲になったときに“これは自分のことを言っている曲だ”と。そこから“第三者に救いをもたらすところに行くんだよ”っていう意味を込めました。だから似て非なるものですね。同じものではないんですけど。
-今回の全国ツアーもLIQUIDROOM ebisuがファイナルで。7月に同会場で行われたワンマン・ライヴでちょっとトラブルがあったんですよね?
飯田:自分のアンプが調子悪くなって、大変なことになってしまって。
-だけど三島さんと久野さんの機転がきいて、それもいい感じに乗り越えたとの情報が入っておりますが……。
辻:ははは(笑)。
飯田:結果トラブルがいい方向に転がって、あれがあったからこそ成功した(笑)。
三島:ってこいつは言ってますけどね(笑)。
久野:落ち込むライヴにならなくて良かったよね(笑)。
三島:でも悔しい思いはあるので。やっぱりスムーズにいきたいですから……(苦笑)。リベンジの思いもありますしね。セットリストも全然違いますし。今回はレコ発なんで『SALVAGE YOU』からもたっぷりやるつもりです。
-それではラストに、タイトルと引っ掛けた質問を。皆さんにとっての音楽以外の“salvage”とは何ですか?
三島:んー、野球ですかね……スポーツ観戦とか。
久野:考えたことなかったですけど……音楽以外の時間ですかね。
飯田:本当に音楽が好きなんで、本当につらかったりしたら音楽を聴いてる人間なんですよね。あとは……やっぱ、ずっと岐阜と名古屋で育ってきたんで、そういう自分がいた場所で人と会うことが救いですかね。
辻:僕は、お酒ですね。
-はい(笑)。
三島&飯田:あ、それは僕もです。
久野:多分それは全員ですね(笑)。
-じゃあcinema staffの音楽以外の救いは……。
全員:お酒、ということで(笑)。
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