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INTERVIEW

Japanese

cinema staff

2012年06月号掲載

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Member:辻 友貴(Gt) 飯田 瑞規(Vo&Gt) 三島 想平(Ba) 久野 洋平(Dr)

Interviewer:天野 史彬


-今では、アグレッシヴな演奏と飯田さんの透明感のある声のコントラストは、cinema staffの音楽性の大きなポイントになってますもんね。それは言い方を変えると、飯田さんの歌っていうのは、cinema staffの楽曲に、一介のオルタナ・バンドや歌モノバンドとは違った色を点しているっていうことだと思うんです。で、最初にも言いましたけど、今回の「into the green」という曲は、飯田さんの歌声だけじゃなく、楽曲全体でcinema staffのオリジナリティを確立することに成功していて。僕は、それを一番象徴しているのが、ギターの音色の変化だと思うんですよ。

4人:あぁ~!

-今まで突き刺すような音を鳴らしていたギターが、「into the green」をはじめとする今回の楽曲では、突き刺すというよりも、むしろ包み込むように鳴ってるんですよね。

辻:ほんとそうだと思います。ギターの音色に関しては、ずっと前から思うようにいかないことがあったので、何回もアンプを変えたりして、試行錯誤してたんです。ギターが2本あるので、難しくて悩んでたんですけど、それが段々と、音の出し方がわかってきて、自分が出したい音はこういう音なんだっていうのがわかってきたのかもしれないです。

三島:たぶん、脳内でなってる音と実際に出してる音が今までは違ってたよね。昔、音が成熟してなかった時は、“なんでこういうふうにできないの?”っていうフラストレーションを常に感じてたんですけど、多分最初から、今回のような音を出したかったと思うんですよ。それがだいぶ具現化できるようになってきたのかもしれないです。だから、いい意味で整理がされてきたんだと思います、みんな。単純にわかってきたというか。昔の曲が悪いとは言わないけど、今のほうがいいっていう自信があります。

飯田:それが一番わかりやすいのは、再録した「優しくしないで」で。前やろうとしたら今回の感じにはできなかったと思いますね。前は、みんながガンガン争いながら音を出していく感じだったんですけど、それだと結局聴こえてないし、聴いてる人に届いてないんだっていうことに気づいて。そこから、それぞれ音域を変えたりしていくことによって、包み込む感じになったんだと思います。

-歌詞に関して訊きたいと思うんですけど、歌詞は三島さんが書かれてますよね。cinema staffの歌詞には一貫して、孤独感や周りとのそりの合わない感じが滲んでると思うんですけど、これはどうしてだと思いますか?

三島:それは、俺に友達が少ないからじゃないですか(笑)。

-(笑)。

三島:今笑いながら言いましたけど、これはあながち嘘じゃないですね。今回再録された過去の曲に関しては、どういう気持ちで書いたか詳しくは覚えてないですけど、孤独感は出てるというか。あんまりモテてる奴の書く歌詞ではないと思いますね(笑)。実際、大学とかでは根暗な奴だったと思うし。“なんでお前らはCONVERGEの良さがわからないんだ!”とか思ってましたもん。

-そこの苛立ちに原動力があったんですね。で、そういう世の中との軋轢と同時に――「into the green」とか「KARAKURI in the skywalkers」に特に顕著だと思うんですけど――どこかノスタルジックなものに対する憧れとか、子供の純粋性にみたいなものに憧れていく部分もありますよね。

三島:ありますあります。僕、どっちかというと綺麗事を歌いたいんですよ。中二病なんですよね(笑)。でも、そこに関しては“僕らがやんないと誰がやるんだ”っていう感じがするんですよね。少年的であるというか、ドラマチックなものに、凄いロマンは感じるんですよ。それが現実の自分が見てるものや風景とリンクしていくというか、そういうものを書きたいんですよね。