Halo at 四畳半 渡井翔汰の"健康で文化的な最低限度のサ活"【第三回】
2020年06月号掲載
やあ、諸君。健康で文化的な最低限度のサ活というタイトルを掲げて第三回。掲載までには時差があると思いますが、こちら現在緊急事態宣言が解除されようかという5月25日。3日に1度くらいの頻度でサウナ狂いと化していた私も、かれこれ2ヶ月ほどサウナはおろか、自宅に篭りきりの日々。健康第一でお送りしております。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
私がボーカルギターをつとめるロックバンドHalo at 四畳半もコロナウイルスの流行によって多大なる影響を受けておりまして、前回の記事で「ワンマンツアーの初日以降全日程が延期し、いきなりファイナル公演になる可能性がある」と危惧しておりましたが、現実はそれを上回り「ファイナル公演すら延期となり、延期した各日程が更に再延期となる」という始末。延期となったライブの穴埋めには到底なりませんが、現在は自宅で出来ることを模索して、毎週末にメンバー各々の自宅から生配信番組HALO STUDIOを企画・放送しております。
サウナにも行けず、ライブも行えず、外出も最低限の買い出しのみ。どうしても思い悩むことが増え、ストレスも溜まっていきます。私も例に漏れず、日夜悩みの種が頭の中を駆け巡っておりました。考えても考えても納得のいく答えは出ない。しかしながら心の中に灯した固い意志が消えることはない。そう、「家でサウナ体験をしてみせる」というその意志は。
そもそもサウナ体験に必要なものは大きく分けて3つあります。身体を熱するサウナ室、身体を冷却する水風呂、そして身体を休める休憩スペース。これを自宅で再現するとなると2つの問題点がありました。
まず、一般家庭にサウナ室ほど高温状態を保てる環境を作り出すことが困難です。これに関しては風呂場を密閉状態にして普段より熱めの湯を張って浸かることで代替することにしました。
次に、浴槽に湯を張ることによって水風呂が用意できなくなる問題があります。裕福なご家庭であれば自宅内に風呂場が2箇所あるという方もいるかもしれませんが、千葉では浴槽を2つ持つことは重罪であり、見つかればポートタワーに身体を縛り付けられ、夢の国と呼ばれる動物を模した被り物を身に付けた組織によって存在を抹消されます。なので僕は水シャワーでこれを代替することにしました。
のぼせない程度に湯に浸かり、久しぶりに額に汗を滲ませ、決死の思いで水シャワーを浴び、軽く身体の水分を拭き取り、風呂場の扉と窓を開け放つ。洗い場の椅子に腰掛けて、外から流れ込む外気を吸い込んでゆっくりと目を瞑る。悩みがなくなるわけではない。過ぎ去った日々が戻るわけでもない。ただ、この瞬間だけは余計な思考が頭の中から消え去って、明日も頑張ろうとただそれだけを思える。それではご唱和ください。
「ととのった......!!!!!!」
Halo at 四畳半
2012年結成、千葉県佐倉市出身の4人組。都内にとどまらず、全国各地のイベント、フェスなど、ライヴ活動を重ね、2018年に1stフル・アルバム『swanflight』でメジャー・デビュー。2020年1月に2ndフル・アルバム『ANATOMIES』を発表。延期となったワンマン・ツアー"無垢なる祈りの宿し方"の振替公演を開催予定。
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