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Japanese
収録曲3曲が先行配信され、少しずつその全貌が見え始めたメジャー・デビュー・アルバム『皆空色』。予測不能な曲展開は健在。だが決して振り回される感覚ではなく、ジャンルの垣根を悠々と行き来する軽やかな足取りにむしろ惚れ惚れする。ハスキーで成熟した魅力を持つ望世の歌い回しも多彩になり、とりわけ柔らかなヴォーカリゼーションは今作で新たに花開いた印象だ。さらに、「色彩」のエッセイの中で"便利すぎる時代は/情報の雨の中にいるようだ"と表現したように、今の時代風景を秀逸に捉え文学的に昇華させているところも、ファンが音楽通だけに留まらない理由のひとつだと思う。スキル、センス、好奇心、探求心、etc.を詰め込み、彼女たちは威風堂々メジャー・シーンへ船出する。
ニューオーリンズで生まれたパレード音楽であるセカンド・ライン。そのビートが持つ華やかさとは対極にある、冷ややかでしっとりとした鍵盤のマッチが生む心地よい違和感や、決定的な色気や強さを感じるメロディと声が放つ唯一の輝きに魅せられる。人との関わりで感じるノイズを包み隠さず吐き出した歌詞が刺さる。MVが公開された「悪の花」は、バンドの明るい未来を確信させるほどの個性と強さを持った曲だ。時代の流れに惑わされず、愚直に己と向き合うピュアな冒険心を迷うことなく発信するアクション。それは無数の情報に溢れ、もはや王道のセオリーも埋もれてしまう現代において、新たなポップの夜明けを切り拓く重要な鍵なのかもしれない。だとすれば、ペンギンラッシュこそ今最も聴くべきバンドだ。
あなたは無関心に見られている。とでも言っているような、視線が合わない多くの目が描かれたジャケットがなぜか気になって、何度も何度も見てしまったあなたは、この作品を手に取って間違いないだろう。ポップスの視点から見たジャジーでもファンキーでもなく、ジャズやファンクをポップスのフィルターを通して解釈したものでもなく、既存のジャンルを指す用語では割り切れない音楽。とはいえ、それぞれの歴史にあるマナーは突き詰められたうえで、混ざっている。そんな独特のクロスオーバー感覚と、日常に感じる妙な居心地の悪さが綴られた歌詞がシンクロし、"曖昧な何か"が強い力を持つ。人の心はそんなに整っていない。そういう意味では最もリアルなポップの形が、ここにあるのかもしれない。
ジャンルありきで人気が出る時代じゃないから、そこに出向いて勝負しなくてもいい。いいものがウケる今だからこそ、やりたいことを突き詰めたい
ペンギンラッシュの考える、ジャンルにとらわれないクロスオーバー・ミュージックとは
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