Overseas
THE DRUMS
2010.08.08 @千葉マリンスタジアム&幕張メッセ
Writer 道明 利友
うっわぁーっ、楽しいいいっ! 冒頭から妙なテンションで失礼しますが……(笑)。仕事として関わらせてもらったライヴではなるべく冷静にステージを観ようと心がけているので、仕事をほぼ忘れてそんな感想が出てしまうのは自分でも驚き。が、THE DRUMのライヴを観た人は、誰だってそんな理屈抜きの楽しさを感じていたはずだ。
その彼らの特徴的なポイントは、まずはなんといっても、オールドスタイルなサーフ・ミュージックを現代流に蘇らせたようなサウンド・メイキング。単音でリフレインするギター・フレーズ、スピーディーにハネるリズムセクションの響きは、いちいちがポップというか可愛らしいというか……。ハイ・テクニックで玄人筋をうならせるタイプのバンドでは決してないと思うが、聴いていると自然にステップを踏み、手拍子を合わせたくなるキャッチーなサウンドを生み出すことができるのは、彼らのポップセンスの鋭さがゆえだろう。何しろ、「Let’s Go Surfing」はあの口笛を聴くだけで気分がウキウキさせられるのだから凄い! 手拍子で埋め尽くされたSONIC STAGEのフロアの揺れ具合は、まさにビッグ・ウェーヴのごとくの勢いだ。
「ハロー東京! アリガトゴザイマス!」。1曲おわるごとにめちゃくちゃ人の良さそうな笑顔とともに日本語でお礼を言うフロントマン・Jonathan Pierceを筆頭に、メンバーのキャラの立ち具合も、彼らのステージの楽しさを増幅させる要因。何しろ、ギタリストのJacob Grahamは、「Best Friend」では本業のギターを弾くのを放棄(笑)。曲に合わせてタンバリン片手に踊り狂ってる姿を見ていると、“楽器弾かなくていいの!?”なんて突っ込みは忘れてこっちも一緒に踊りたくなってしまうから。そんなアッパーなライヴを、THE DRUMS流のスロー・バラード「Down By The Walter」でスウィートに締めくくる意外性も含めて、痛快の一言でした!
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