新たなフェーズに突入した前作『モラトリアム』発表以降、配信で新曲を連続リリースしてきたOmoinotake。彼らの2020年2枚目となるミニ・アルバムが完成した。タイアップやYouTubeチャンネル"THE FIRST TAKE"への出演でますます注目度が増している彼らだが、今作のグルーヴィで洗練されたポップ・ミュージックは、これまで以上にポピュラリティを確立しているように思う。疲弊しきった心に沁みる、コロナ禍で生まれた「One Day」、ドラマ"30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい"OP曲「産声」、ノスタルジーを感じる情景描写が見事なバラード「東京」などに加え、JQ(Nulbarich)による「One Day」のリミックスも収録。良質なポップスを堪能できる1枚だ。
島根発のギターレス、鍵盤トリオ・バンド Omoinotakeのミニ・アルバム。リード曲「Stand Alone」をはじめ、シンセとパーカッションの使い方に新鮮さを感じるTrack.2「Never Let You Go」、初めて打ち込みを取り入れたTrack.5「Bitter Sweet」などバンドの新たな表情を垣間見られるのが嬉しい。ラストは、路上ライヴを盛んに行う彼らのホーム・グラウンド=渋谷スクランブル交差点を舞台にしたTrack.6「Friction」に集約されていく。前作と比べてサウンドがグッと洗練されたほか、各楽器の旋律にリズムが出てきたし、コーラス・ワークも効果的に働いている。以前よりもずっと広い場所で、自分たちの音楽が鳴る光景をイメージできるようになったのではないだろうか。