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INTERVIEW

Japanese

DIALOGUE+ × 田淵智也(UNISON SQUARE GARDEN)× パスピエ 座談会

 

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DIALOGUE+:稗田 寧々 守屋 亨香
Producer:田淵 智也(UNISON SQUARE GARDEN/Ba)
パスピエ:大胡田 なつき(Vo) 成田 ハネダ(Key)
Interviewer:山口 哲生 Photographer:Kanda Yukiya


"最後に残るのは「熱意」"(田淵)


-歌詞に関してはどう書き進めていきましたか?

大胡田:タイアップでもともとストーリーがあるものだったので、その中から何を抽出して表現するかというのは考えましたけど、そこまで道を外れたり、時間がかかったことはなかった気がします。アニメの内容自体も、挑戦していく、クリアしていく、というものになっていて、DIALOGUE+さんもいろんなことに挑戦していくとか、どんどん大きくなっていく、強くなっていく、かわいくなっていくというところがあるので、そこは通じるところがあるなと思って。そこを歌詞に落とせたらいいなと思ってやらせてもらいました。

-タイトルもそうですし、サビ頭にある"誰かじゃない 僕でいたい"というラインをついていけば、どちらにも当てはまるのではないかと。

大胡田:私、一人称の可能性みたいなものをすごく考えるほうで。"僕"とか"私"、"自分"っていうものの表現、感覚とか、そういったものを書きたいっていう気持ちがあって。

-様々ある一人称の中でも"僕"をチョイスされた理由というと?

大胡田:DIALOGUE+さんって"僕"をよく使われているのと、もともと自分の中にあった考えも一緒に反映させてもらった感じかなぁ。いろんなものが合わさってのサビ頭だと思います。

-田淵さんがDIALOGUE+で"僕"をチョイスするときってどんなときなんですか?

田淵:結構直感で選んでいるので、理屈で説明できるかわからないんですけど、未知のものに挑んでいく感じとか、強く生きていく感じを女性が歌うときは"僕"って歌うほうが強い感じがするというか、意思を持っている感じがするからかなぁ。"私"じゃ意思を感じないのかというとそうではないし、違和感もないんでしょうけど、でも女性という存在が"僕"を使うことで勝手に発生する、意思を持って挑もうとしているんだろうな感。あえて"僕"を使うことによって、未来に向かって挑んでいる感が出てくるなとは思っていて。そこは僕がDIALOGUE+に期待しているところでもあるんですよ。前例のないものに対して挑んでいく感じとか、自分たちがやっていることに誇りを持っているということ、自分たちの活動が好きで、自分たちの音楽が好きで、それを自分たち発信でやりたいと決めてやるというところに行き着いてほしいというのは、最初の頃からずっと思っている願いみたいなものとしてあって。

-なるほど。

田淵:声優音楽って、(曲を)渡されて、やって、それがなんとなく1年単位のルーティーンになっていくものなんですけど、それだったら僕はあんまり興味ないなって思うし、DIALOGUE+は"しっかり音楽をやる"から僕も手を挙げさせてもらったところもあるので。いわゆる"声優音楽あるある"みたいなフォーマットの中での挑み方ではなく、自分たちは前例がないというほど大きな話ではないですけど、他の人がやっていないからやっていけない理由はないし、そこに挑んでいくことで、単純にグループとして個性が生まれると思ったんですよね。僕は声優音楽もめちゃくちゃ好きで幅広く聴いてますけど、そういう人たちはあんまりいないから、単純にそれを個性として出したら響いてくれるユーザーの人もいるんじゃね? っていうのは、今でも思いながらやっているところもあるし......みたいなところが、"僕"っていう言葉を選んだのともしかしたらリンクしているのかなぁって思ったりしました。

-お話しされていた"願い"は、田淵さんがDIALOGUE+をプロデュースするにあたって、最重視している部分でもあるんでしょうか。

田淵:やっぱりなんとなくのルーティーンの中で続いていくとか、1年に1回ライヴがあるかないかっていう感じで進んでいくのであれば、別に俺がいる必要はないだろうなと思っていて。そのときが来たら、そのときかなと思っているんですけど。でも今の彼女たちには、ちゃんと音楽をやってきたから、ちゃんと定期的にステージに立ち続けてきたから得られている、他の人にはない魅力があって。そこについてきてくれているファンも、多い少ないというよりは、彼女たちのことをオンリーワンとして受け取ってくれている人たちがいるんじゃね? って思ったりもしているから、その挑戦を続けてくれたらいいなと思っているんですけど。

-なるほど。

田淵:でも、それは別に売れなくていいとかそういうことではなくて。儲かっていないと続かないし、そこは本人たちとしても、レーベルとしても、自分たちがちゃんと自信を持って作ったものでしっかりと稼げている実感みたいなものが作れたら、自信を持って挑戦を続けるんだという姿勢が保てると思うんですよ。バンドでも声優さんコンテンツでも、なんでもそうなんですけど、やっぱり途中で続けるのが疲れてくるんですよね。そういうときに最後に残るのは"熱意"なので、じゃあ熱意をどうやって維持すんの? っていうときに大切なのは、自分たちの音楽に誇りを持つことだし、僕的にはライヴのステージに定期的に立つということ。そこのお客さんの数が多い少ないに関しては、僕はそんなに気にしないですけど、それよりも大事なのは、ステージに立って自分たちがライヴを作っているんだという実感を高めていくことだし、そこは彼女たちだから出せる個性だなと思っているので。だからそこを目指したいというか、それが続けばメンバーも、レーベルも、僕も、モチベーションが保てるんじゃないかなっていう。だから、サボっちゃってもいいかとか、ちょっと続けるのめんどくさくなってきたなっていうところを、なるべくなくしていきながら続けていくことができるといいなって。バンドの場合だとね、わりとすぐライヴができちゃうからいいんだけど。

大胡田:たしかに。

田淵:ライヴが好きで、自分たちの音楽が好きで、という気持ちでやっていると熱意が続くんですけど、もちろんそれが続かないバンドもいっぱいいるし、続かない原因ってそこなんですよね。熱意がどこかで止まってしまって、もうやらなくていいかってなっちゃう。ユニゾン(UNISON SQUARE GARDEN)とかパスピエが続いているのは熱意があって、そこにスタッフも呼応してくれているからだと思っていて。それってサボってないことが一番大事だし、誰かひとりでも強烈な熱意のある人がサボらなければ続くんだけど、メンバーだけじゃなくて、チームの誰ひとりとして熱意がなくなる瞬間があるんですよ。それがバンドとかユニットの寿命なんですよね。僕は今までの人生の中でそういうのをめちゃくちゃいっぱい見てきているから、明日そうなってもおかしくないなと思いながらバンドをやっているし、パスピエのライヴを観に行くときも"明日いなくなっちゃうかもしれない......!"みたいな(笑)。DIALOGUE+に関しても、続けたいと思えるような熱意が明日なくなっちゃうかもしれないから、今めっちゃやらなきゃな! って思ったりしています。

-成田さん、田淵さんの"熱意"のお話や、続けていくことに関してのお話を頷きながら聞かれていましたけど。

成田:なんていうか、ここまで自分がやってきたことを肯定したいんですよね。だからそこは意地でもあるし。でも、じゃあ何をやったら肯定されるのかというのは、たぶん答えはないんだろうし、一生見つからないかもしれないし、もしかしたらそれを探し続けている行為そのものが答えなのかもしれないし。そこはわからないんですけど、それを総じて"熱意"とも言うなぁと思って頷いてました。

-なるほど。楽曲についてお話を戻しまして、稗田さんと守屋さんは、パスピエのおふたりが作られた「誰かじゃないから」を実際に歌ってみていかがでした? 先ほどレンジが広いというお話もありましたけど。

稗田:私たちは得意としているところが違っていて、守屋は高ければ高いほうが出やすいんですよ。

守屋:でも、低いところが出ないんです。

稗田:逆に、私は地声もそうなんですけど、そこまで高くないんですよね。今回の曲はサビが高いんですけど、DIALOGUE+の活動をしていて、例えば高くて難しかったりするところは、ひとりじゃなくて何人かで力を合わせて歌うということをずっとしてきたんです。それもあって、今回もいいサビを歌えたんじゃないかなと思いますし、逆に私はAメロとかの低いところのほうが歌いやすくて。でもやっぱり、成田さんがおっしゃっていたように、今回は振れ幅がすごく広いなぁっていうのは、仮歌の時点ですごく思ってました。

守屋:私も難しかったです。イントロを聴いたときに、パスピエ好きとしては"キタ!"と思って(笑)、すごく嬉しかったんですけど、歌うとなるとめっちゃくちゃ難しくて! でも寧々が話したみたいに、それぞれ得意不得意があるなかで、8人で補いながら歌うというのができるようになってきたなってここ最近は思いますし、ライヴでも"ここは任せて!"っていうところはその子が引っ張っていくということが、自然とできるようになってきたかなと思っていて。だから、こういう難しい楽曲にも挑戦させてもらえるようになって、みんなでより力を合わせて歌えたというのは、成長した部分もあるのかなと考えながら歌っていました。

-歌っていてグッときた歌詞はありました?

稗田:私が歌っているところではないんですけど、1Aの"足元ばかり見て歩いていたら/知らぬ間に運命とすれ違ってた/ひょっとしたら今までに何度も何度も"の、"ひょっとしたら今までに何度も何度も"にすごくドキッとしてしまって。私は今まで、運命って出会ったり直面したりするものと思っていたんですけど、もしかしたらすれ違っていた運命があって、本当は自分が掴めていたチャンスや出会いとか、そういったものがこの20何年の間にたくさんあったのかなぁ......と思ったら、好きなんですけどゾッとしちゃいました(笑)。ハッとさせられたというか。すごく好きです。

大胡田:ありがとうございます。

守屋:私は"ひとりぼっちは口実"から"あとは自分次第だからね"のところです。私はすごく人見知りで、いつもひとりだって思っていたので、グサリと来たというか。大胡田さんの歌詞って、自分が思ってきたこととか、日々過ごしてきたなかでハッとさせられるような歌詞がすごく多いんですけど、今回の「誰かじゃないから」は特にすごくきました。私は小さい頃からお仕事をしていたので、他の子とはちょっと違う生活をしていたんですけど、すごく刺さる歌詞がたくさんありましたね。

大胡田:そっかぁ。

稗田:あと、"感覚は一人称の特権だから"もすごく好きです。この感覚とか感情は自分だけのものだなって思うときもあるので、それを大胡田さんが言語化してくださっている感覚がすごくありました。追加で言っちゃった(笑)。

守屋:いっぱいあるもんね? "リセットボタンならどこにもないから"って、本当にそうだよなって思うし。

大胡田:ははははは(笑)。ありがとうございます。

-そろそろお時間になってしまったのですが、先ほど田淵さんが"熱意"のお話をされていましたけども、DIALOGUE+としてこういう活動をしていきたいと考えていることや、思っていることが、今8人の中にしっかりあると。

守屋:あります! なんなら高まってきている気がしてますね。

大胡田:そうだよねぇ。どんどん素敵になるなぁ。

田淵:あと、この質問に"ないです"とは言えないよね(笑)。

-たしかにそうですね(苦笑)。

田淵:"わからないです!"とか。

守屋:ははははは(笑)。2023年は、それこそ熱意がすごく高まった1年だったなっていうのをすごく感じているんですよ。

稗田:うん。田淵さんが"僕たちは対話が必要なんだ"って普段からおっしゃっているんですけど、そのことを去年1年間ライヴをしてきてすごく感じたし、やっぱりそれが必要だったんだなって思えた1年だったんです。ライヴに向けてみんなで話し合うことがすごく増えたし、話し合うことで見えてくるものがありましたし。この先がすごく楽しみです。

大胡田:いいねぇ。

田淵:ライヴに込める気持ちとかを、自分たちで考えるようになったんですよ。そういうものって、この業界からすると考えなくてもいいことというか。与えられたものをやるという業界ではあるので。ただ、それを続けていると"私は今なんのためにこれをやっているんだっけ?"ってなることもありうるよな、と。それを防ぐために、"自分たちで考えてやっているんだっていう自覚がないと、アーティストって続かなくない?"っていうところをけしかけ続けた1年だった気がするんですよ。だから、自分たちでそこを話しだすようになったのは、いい変化だなと思いながら見てました。

稗田:2023年は本当にターニング・ポイントだったんですよ。

守屋:それこそめちゃくちゃ話し合いをしたんです。

稗田:そのときに話し合ったものをここから確立させて、2024年はステップアップしていける予感がしております!

RELEASE INFORMATION

DIALOGUE+
10thシングル
『イージー?ハード?しかして進めっ!』
2024.01.24 ON SALE
※TVアニメ『弱キャラ友崎くん 2nd STAGE』OP & EDテーマ


【初回限定盤】(CD + BD)
PCCG-02327/¥4,400(税込)


【通常盤】CD
PCCG-02328/¥1,400(税込)

[収録内容]
1. イージー?ハード?しかして進めっ!
2. 誰かじゃないから
3. イージー?ハード?しかして進めっ!(TV Size ver.)
4. 誰かじゃないから(TV Size ver.)
5. イージー?ハード?しかして進めっ!(Instrumental)
6. 誰かじゃないから(Instrumental)

[初回限定盤 特典]
■フルカラーブックレット(12P)
■特典Blu-ray Disc
・「イージー?ハード?しかして進めっ!」ミュージックビデオ・メイキング
・「SUMMER LIVE ~Welcome to D+~」ライブ映像 セレクション(2023年8月20日公演)
デネブとスピカ
夏の花火と君と青
MAHOROBA-Deli
僕らが愚かだなんて誰が言った
あやふわアスタリスク
好きだよ、好き。
D+ has come
20XX MUEの光
人生イージー?2023
はじめてのかくめい!2023
+全力じゃんけん大会(1部 & 2部)

[通常盤 特典]
描きおろしアニメイラストアナザージャケット

詳細はこちら


EVENT INFORMATION

"ログっ子感謝祭「ログ×ギグ」&「DIALOGUE+BOX THE LIVE!!!! vol.2」"
3月30日(土)府中の森芸術劇場 どりーむホール
"ログ×ギグ"
OPEN 13:30 / START 14:30
"DIALOGUE+BOX THE LIVE!!!! vol.2"
OPEN 18:00 / START 19:00

[チケット]
・"ログ×ギグ"
Team D+チケット ¥8,000(税込/全席指定)
一般チケット ¥8,800(税込/全席指定)
・"DIALOGUE+BOX THE LIVE!!!! vol.2"
Team D+チケット ¥5,000(税込/全席指定/お見送り会付き)
一般チケット ¥5,500(税込/全席指定)
■Team D+チケット先行:~1月28日(日)23:59
詳細はこちら


TOUR INFORMATION

"DIALOGUE+ 5th Anniversary Tour「DIALOGUE+学概論」"
5月12日(日)愛知 Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
6月9日(日)兵庫 あましんアルカイックホール
6月23日(日)TOKYO DOME CITY HALL

[チケット]
プレミアムチケット ¥11,000(税込/FC会員限定) ※会場別限定グッズ付き。会場によってデザインが異なります。
通常チケット ¥8,800(税込)
※DIALOGUE+ 10thシングル『イージー?ハード?しかして進めっ!』にチケット優先販売申込券が封入。
詳細はこちら


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・グッズ内容:ピンズ+巾着セット、メッセージカード
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