Japanese
WOMCADOLE
2021年02月号掲載
Member:樋口 侑希(Vo/Gt) マツムラユウスケ(Gt/Cho) 黒野 滉大(Ba) 安田 吉希(Dr/Cho)
Interviewer:秦 理絵
それぞれに意思を持った"個"が、自分の中にある葛藤や感情と戦い、時に周囲とぶつかり合いながら、大きな輪を作り上げていく。WOMCADOLEが1月20日にリリースするメジャー2ndアルバム『共鳴howRING』は、そんな人間の在り様をリアルに描いたノベル・コンセプトアルバムだ。新型コロナの感染拡大による予期せぬ事態のなか、マツムラユウスケを新ギタリストに迎えた彼らにとって、新体制で作り上げた初アルバム。闘争心がみなぎる攻撃的なバンド・サウンドにヒップホップのエッセンスも盛り込むなど、より自由度を広げたアレンジには、"この4人で鳴らせば、すべてがWOMCADOLEになる"という無敵感が漂う。2019年11月のメジャー・デビューから約1年。なぜ、彼らは自身のロックをここまでアップデートできたのか。メンバー全員に話を訊いた。
常に最高を更新していくのがロック・バンドだけど、今回は更新どころか、バコーンって突き抜けた感じがします
-この時代を生き抜こうとする人のリアルが詰まった作品だなと思いました。
樋口:リアルしか突っ込んでないですね。今回はユウちゃん(マツムラ)が入って初めてのアルバムでもあるので。「ヒカリナキセカイ」(2020年8月リリースの3rdシングル)は、もともとあった曲をアレンジしなおしたんですけど。今回はゼロから一緒に作り上げて。めちゃくちゃヤバいのができました。って毎回言ってますけど。
マツムラ:初めてアレンジにイチから参加したことで、自分が弾きたいことも全部入れられたし、それをメンバーにも受け入れてもらえたので、すごく楽しかったです。
-アルバムのオープニングを飾る「応答セヨ」から、まさに"ギターの音を聴け!"っていうイントロですもんね。
一同:ははははは(笑)!
樋口:あそこはユウちゃん節が炸裂してますよね。
-黒野さん、安田さんは、どうですか? まず今作の手応えに関しては。
黒野:初期衝動っぽい1枚だと思います。学生時代とか、自分がロックの入り口でこのアルバムを聴いてみたいっていうような、そんな作品ですね。
安田:今回は最新の自分たちを余すところなく純度120パーセントで落とし込めたんです。新たにユウスケの引き出しが加わったことで、お互いにしのぎを削り合って、今まで自分が持っていたものもより研ぎ澄まされてて。全パート、バチバチやし。強いなって思います。常に最高を更新していくのがロック・バンドだけど、今回は更新どころか、バコーンって突き抜けた感じがしますね。
-それは私もアルバムを聴かせてもらって感じたことで。なぜ、今回のWOMCADOLEは、ここまで一気に突き抜けられたんでしょうね?
樋口:まず、このメンバーになったのが一番大きいけど、やっぱりこのコロナの期間ですよね。ライヴがなかなかできんなかで、でも、伝えたい"あなた"は明確やったから。それを考えたときに、いろいろな想いが止まらんくなって。今思ってることをリアルに詰め込みたいって素直に思ったんです。手紙みたいなものでいい。"俺らは相変わらずこう思ってるんだぜ"っていう意思というか。とにかく、今思った瞬間の気持ちを落とし込めたことが大きいと思います。
-ライヴがないからこそ、目の前にいない"あなた"の姿が明確になったと。
樋口:うん。余計鮮明に見えましたね。今回、今までと違うのは、ツアーも飛んじゃったし、行きたい場所にも行けないなかで、CDだけは全国のお店に並べてもらえるから。ちゃんとCDで受け取ってもらいたいなっていうのがあったので、ここに全部詰め込みました。
-2020年を振り返ると、他のバンドと同じようにコロナによるツアー、ライヴの中止もありつつ、WOMCADOLEの文脈で言うと、メンバーの脱退加入があった。そのあたりはどういう気持ちだったんですか? リスタートを全力で切れない悔しさがあったのか。
樋口:いや、そもそも"リスタートしなきゃ"っていう気持ちでもなかったですね、正直。もちろんライヴができない悔しさはあったけど、それでも俺らは止めたくなかったから。ってなったときに、やっぱりアルバムを作りたかったんですよ。
-他のメンバーは?
安田:あんまり悲観的にならなかったよね。むしろ、ユウスケと一緒に音楽ができる、この男さえいれば、別に何があろうと大丈夫っていうぐらい信用してたので。ライヴができんぶん、みんなでスタジオに入って、曲に対するアレンジも考えられたし、メンバー同士のコミュニケーションもよくとれたし。希望ばっかりって感じでした。
黒野:2020年は助走を溜め込んだ感じがします。年末にバンド仲間と会ったときに、"今年、なんもできんかったな"っていう話になったんですよ。でも、ユウスケが入った、アルバムを作れたって、1個ずつ数えてたら、結構やれたこともあったんですよね。意外と何もない年じゃなかったし、2021年はその助走のぶんだけ爆発できるんじゃないかと思ったんです。
樋口:うん、そうだね。
-ともすると、2020年って"我慢の年"とか"やりたいことができなかった"って振り返りがちだけど、それでもWOMCADOLEが希望をもって進み続けられたのは何が原動力だったんですか?
樋口:今が楽しい、っていうことじゃないですかね。俺ら、みんなでめっちゃ遊ぶんですよ、普通に。正味バンドってこんなもんでいいんやって思ったんです。この楽しくやる感じを、俺はちょっと忘れてたかもしれない。それを思い返せたというか。
-"バンドを大きくするんだ"とか、そういう使命感が強くなってた?
樋口:まぁ......そういうものが脳裏にあったかもしれないです。もともと白紙やったはずが、隅にいろんな落書きをされてた感じがあって。今はそんなんもなくなったんです。
マツムラ:たしかに。安田とは、もともと専門学校が一緒やったので仲が良かったんですけど、残りのメンバーとはあまり会ったことがなかったんですよ。それでも、これだけ仲良くなれたのはデカいと思います。バンドだけど、同い年で距離感なくできるのは強みですね。ビジネス・パートナーじゃなくて。
安田:友達っていうかね。それはデカいね。
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