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INTERVIEW

Japanese

ariel makes gloomy

2018年06月号掲載

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Member:イシタミ(Key/Vox) ワダトシアキ(Gt) 関 悠介(Ba) 佐々木 悠介(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-去年出した『carbonium』(2017年リリースの1st EP)がバンドにとって初の流通作品でしたけど、その手応えはどう感じてますか?

イシタミ:『carbonium』をリリースしてから、いろいろな方から"応援してます"とか、"これからも頑張ってください"っていう声をいただいたんですけど、それが本当に励みになるんだなって思いました。自分が落ち込んでるときにそういう応援メッセージを見ると"頑張ろう"と思うので、本当に感謝してますね。

佐々木:全国流通をしたことで、まず自分たちが一番に望んでる、"多くの方に聴いていただいている"っていうのを感じています。

関:僕は『carbonium』を作ってみて達成感はあったけど、"じゃあ、次の作品にどう生かすか"みたいなところをすぐに考えました。前作をどう上回るか、乗り越えるかっていうのは考えてたんで、それが今作に繋がってるかなと思います。

-自分たちのやり方や届けたい世界観というのが、ちゃんと伝わってるという感覚はありましたか?

ワダ:かっこいいと思っているものを作って出すけど、新しいものってすぐには理解されないところがあるんじゃないかなと思っていて。amgってそれに近いと僕は思うんですよね。よくわからない(笑)。でも、よくわからないけど、なんかいいんじゃないか? って思ってもらえる。それが伝わっていることなのかなって思いますね。

-『carbonium』を出してからは、amgとしてはライヴに比重を置いたのか、レコーディングを重視したのか。どちらでしたか?

イシタミ:完全に後者ですね。実は『carbonium』も『oxymoron』も2017年に録音したものなんです。『carbonium』が2017年10月4日に発売されて、そのときにはもう今回の『oxymoron』のプリプロもしてました。で、今はもう次の作品の制作を続けています。

-今はレコーディングの中で、自分たちの音楽を模索してる部分もある?

イシタミ:というより、活動の一番の核は4ピース編成でできることを追求し続けることなんですけど、それと同じぐらいコンスタントに楽曲を作り続けていくことも大切にしていて。今もアレンジ待ちで待機している曲がたくさんあるんです。

-前作の『carbonium』は、amgっていうのがどういう集団なのか、まずそれをちゃんと見せたいっていうのがあったと思いますけど、今作は何を意識しましたか?

佐々木:曲ごとのキャラクターをはっきり分けて、それぞれの多種多様なアプローチにしようっていうのは考えて作ってました。でも、4曲を揃えて聴いたときには、明るいとか暗いとか、パッとわかりやすいような色分けされたものではなくて、誰もが日常的に感じてるような空気感みたいなものが統一して備わってるものになったと思いますね。それが『oxymoron』の特徴であると同時に、amgの特徴でもあると思ってます。

イシタミ:音像にはこだわったかもしれないです。最終的な音の仕上がりで見えてくる音の形というか。

-たしかに、amgの曲に関しては"音像"というのはキーワードだと思います。「focal point」の歌詞にも、"僕の声が音像として/君の中に残ればいいと思う"って出てくるし。

イシタミ:「focal point」は、わりと歌詞がストレートめなんですよね(笑)。"言いたいことなどない"ってありますよね。音像として聴いてくださる方の中に残る方が難しいんじゃないかなぁと、それが一番印象的だったので、"焦点"という意味合いのタイトルになっています。

-この歌詞は誰が書いてるんですか?

イシタミ:タイトルは私が付けました。歌詞は誰が書いたかを想像いただけたら嬉しいです。1曲を複数人で書いていることもあります。

-なるほど。プロフィールには、"ポスト・ロックとエモ、ポップの精神性を持ちたい"と書かれていますけど、これがamgの目指すサウンドなんですか?

イシタミ:なんと形容したらいいのか難しいねって言われることが多いんですよね。あとはオルタナティヴとかはお言葉いただくこともあります。オルタナティヴを調べると多くの事柄と合わせて考えた方が良さそうで。

-いわゆるメイン・ストリームの反対側から起こるカルチャーぐらいの意味ですからね。

佐々木:幅広い解釈ができるワードですよね。

イシタミ:なので、ポスト・ロックっていうワードを使わせてもらってるんです。エモに関しては、いわゆるエモコアの精神性っていうところかなぁと思ってますね。それをジャンルと言わずに精神性にしたのは、やっぱり曲を聴いていただいたときに、どんな曲を通ってるかをよくわからなくしたかったからなんです。

佐々木:そこで、ジャンルっていうのを説明しちゃうと、どうしてもそのフィルターを通して聴いちゃうと思うんですよ。

イシタミ:狭くなってしまうというか。ざっくり"音楽"っていうふうに捉えていただければと思ってますね。あと、ポップっていうのは、歌メロがキャッチーっていう捉え方で、で使ってます。

ワダ:とはいえ、ポップって決まったものじゃないんですよね。そのときそのときで、人気のあるものっていうぐらい意味かなと思ってます。

-なるほど。

イシタミ:でも、もちろん私たちの音楽は"何か新しい要素を加える"っていうことも全員、意識はしていて。個人的にはその流れからプログレッシヴ・ロックの精神性も持っていたくて、その上で4人それぞれが感じているものを混ぜていきたいんです......っていうふうに自分たちの音楽をちゃんと説明しようとすると、ある程度長くなってしまうんですけど。

-うんうん。amgの曲って、ひと言では説明できないんですよ。そうすると、曲を作るときはどういうコミュニケーションでできあがっていくんですか?

イシタミ:わりと曲によって違うんですよね。

佐々木:曲ごとに原案者みたいなのがいるのですけど、それをセッションみたいな形で作っていくんです。それぞれのプレイヤーがやりたいことを尊重しながら、そのアプローチをやってみようっていう姿勢を大切にしながらっていうのはありますね。