Japanese
2018年05月号掲載
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前作『carbonium』から約8ヶ月ぶりとなるariel makes gloomyの2nd EP。自身の活動形態を"プロジェクト"と称して、ベールに包まれた部分も多い音楽集団だが、全国流通としては2枚目となる今作『oxymoron』を聴いても、やはりそのポップ・センスは抜群だと思った。もっと言えば、ポスト・ロック的で予測不能なサウンドの根底にあるポップ強度は明らかに前作よりワンランク・アップしている。自分を曝け出しながら、言いたいことはひとつもないと煙に巻く「focal point」、偶然と必然の間で揺れる日常に虚無感を抱く「gradation」など、胸にある消えない矛盾を滑らかな筆致で捉えた歌たちを総称して、"矛盾した表現"を意味する"oxymoron"と名付けたところまですべてが美しい。(秦 理絵)