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INTERVIEW

Japanese

the band apart

2017年08月号掲載

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Member:木暮 栄一(Dr)

Interviewer:石角 友香

-今回明確に日本語詞と英語詞の曲が分かれてますけど、それはこれまでのアルバムで振り分けてやってきて、両方あっていいかなという判断なんですか?

そうですね。自分のCD棚とかiTunes、DJするときもそうなんですけど、いろんな言語で歌われた曲が同じプレイリストに入ってたりするから。うちのバンドでは、中期ぐらいまでは日本語詞が選択肢としてなくて、だけどアルバムを2枚出したことによってアリになって、今回はどっちでも、もう曲調とか出てきたメロディによって作っちゃおうって感じでしたね。だからこだわりがひとつなくなった、みたいな。

-たしかに。「お祭りの日 (LIC2.1)」とか英語で書けないし。

そうですね(笑)。それは日本語ならではの。あとは終盤の方にできた曲だから、歌詞としてユーモラスな、なんて言ったらいいのかな? ちょっとかわいい感じっていうのも違うんですけど(笑)。

-たしかにユーモラスですね。

ユーモラスなものがあったらいいなっていうので、最初に"まつり まつり"っていうところが思いついたんです。そこから想像を膨らませて、どの祭りなのか、夏の祭りなのか、正月なのか? とか、そういうイメージをいろいろごちゃ混ぜにしちゃおうと思って。これは主観になっちゃうんですけど......お祭りって楽しいんだけど、思い出すときはほのかに寂しいというか、切ない感じがなんでかあるなぁっていう、ぼんやりとした感覚をユーモアを失わずに書きたいなと思って書いた感じですね。

-ちなみに、"Memories to Go"って直訳するとどういう意味なんですか?

"進むための記憶"って感じですかね。

-かっこいいです(笑)。そして"シルバーキー"がキーワードとして出てくる曲がいくつかあって。

シルバーキーは俺が考えたっていうか(笑)。デヴィッド・リンチの映画とかを観てると、作品は違うんですけど、同じモチーフの人が出てくる。そういう奇妙な感じが......違う話なんだけど、並行世界でもあるっていう、その繋がってる感じがひとつの言葉を何回も使うと出るかもなと思って使いました。

-「BOOSTER」とかもハードな感じですし、「Super High」は映画"ゼロ・グラビティ"みたいな体感があります。「Super High」はどなたの曲ですか?

「Super High」は川崎(亘一/Gt)の元ネタだったんですけど、あいつが作るのにすごく苦労してて、それでほんとこの日に録んないとヤバいっていう日の前日に一気にみんなで作ったって感じですね。

-この曲にもシルバーキーが登場しますけど(笑)。このシルバーキーは何なんでしょうね?

自由に考えてもらっていいんですけど......もうすぐ40歳だし、これくらいの歳になってくると友達が死んだりとか、そういうのが珍しくなくなってきて。死ぬっていうことを自分なりにいろいろ考えたりするんですけど、その考えたことが反映されてるかもしんないです。

-"ゼロ・グラビティ"じゃないけど、例えば宇宙空間に宇宙船でひとりほっぽり出されたら、死んだ方がマシなんじゃないかと思いますよね。

ははは。まさにそういう感じですよね。そういうつらいタイミングって人生であったりするじゃないですか? それに対して、一歩踏み出しちゃえばどうにかなるみたいな言葉って世の中にたくさんあると思うんですよ。それが全然、自分には響かないんだけど、結果としては自分でなんとかするしかないから、失敗とともにあることを恐れずに進むことを選ぶ、開き直る、"覚悟"と言ってもいいんですけど......そういうタイミングの歌っていうか、場面ですね。

-それを現実の物理として聴かせる感じですよね、この曲は。

そうですね。それで一歩踏み出したからと言って、ハッピーエンドになるとは限らないっていうアウトロになってる(笑)。

-実際のアンサンブルにそういう面が出てる曲も多いと思いました。きれいにとかかっこよくっていうよりは、わりとバシバシやってるという。

あぁ、そうですね。それは音作り的には今までより明瞭になるように、ドライな感じで作ってあるんですけど、プレイに関しては必要以上のエディットはしないんです。荒々しさが残ってた方がやっぱり面白いなっていうのがあって、そういうところが多いかもしれない。

-今回はあまりみなさん個々の趣味的な部分は出ていないアレンジでもあり。

荒井(岳史/Vo/Gt)もソロをやったり、原はアイドルに曲を書いたり、俺は俺でDJをやってたり、ソロでレコードを出したりして、そういう外の活動がちょっと増えると、"このバンドで何をやったらかっこいいのか?"を1回立ち止まって考えるときがたぶん各々あって、それでそういうギミックというよりは、俺だったら、川崎がああいう寡黙なギター・ヒーロー的な佇まいでどういうプレイをしたらかっこいいかな? みたいな発想になってるからかもしんないですね。