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INTERVIEW

Japanese

HOWL BE QUIET

2017年05月号掲載

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Member:竹縄 航太(Vo/Gt/Pf) 黒木 健志(Gt) 橋本 佳紀(Ba) 岩野 亨(Dr)

Interviewer:沖 さやこ

-ちゃんと気持ちを言葉にする。それは恋愛に限らず、人と接するうえでの竹縄さんの誠意でもあるなと。

竹縄:自分にとっての正義がそこなんだと思います。言わないと伝わらない......というのもあるけれど、それ以上に相手の想いを聞きたい。相手に"こっちがどう思っているかは言わずもがなでしょ"という態度でいられるのはすごく嫌で。言ってもらわないと安心できないし、言ってもらうことで承認されるというか。それは恋愛に限らずですけど。

黒木:それはメンバー全員共通だと思いますね。言わないとわかんないことも多いし、メンバー同士でかっこつけててもなんの得にもならない。思ったことを言わないと、物事は進まないこともあるし。

橋本&岩野:そうだね(笑)。

黒木:アルバムの曲たちには共感したし、"俺の好きな竹縄はこういうところだな"と思うものばかりで。かっこ悪いところまで曝け出しているところがかっこいい。

-その"かっこ悪いところを曝け出すところがかっこいい"というところが、竹縄さんないしHOWL BE QUIETが少年漫画の主人公然としているところだなと思います。少女漫画に出てくるヒロインの相手役の男の子ではない。

竹縄:本当は少女漫画に出てくるような男の子になりたいんですけどね(笑)。

岩野:でもその"男の子"って成就しないポジションのことでしょ(笑)?

竹縄:そうそう。少女漫画を読むのは好きなんですけど、少女漫画みたいな恋愛は嫌いなんですよ(笑)。主人公の女の子と、最終的にどうせくっつく男の子がいるじゃないですか。まずこの男の浮かれ具合がムカつくんですよ。

橋本:はははは(笑)。

竹縄:好意を持たれて調子に乗ってふらふらして、ヒロインの女の子が好きって言うのに1回断るんですよ。それでヒロインがフラれちゃった......と落ち込んでるときに現れる男の子がいて。これが一番いい男です! 間違いなく!!

一同:あはははは(笑)!

竹縄:ヒロインの女の子もその男の子のことがいいかも......と思いつつも、やっぱりあの人が忘れられないってもともと好きだった男のところに行って、その男も"やっぱりお前だった"とか言って結ばれるんですよね。そしたらその落ち込んでるときに現れた男の子が、最終的にくっつく男の子に"あいつのこと泣かせたら俺が許さないぞ"って言うんですよ......。こいつがいい奴すぎて、想いを馳せるだけで涙が出てくる! そういう、自分にとって納得がいかないことをすげぇぐだぐだアルバムで言ってますね(笑)。

-2番目ポジションの男の子の悔しさや悲しみは少女漫画では描かれないですからね......。少年漫画の主人公が恋愛をしたら、こんなふうになるのかも? と思ったりもしました。「ギブアンドテイク」(Track.3)は今回のラヴ・ソングの中では一番男らしい部分が出ているなと。HOWL BE QUIETがもともと持っている少年漫画の主人公的な純粋で勇敢な部分から生まれたラヴ・ソングというか。

黒木:なるほど。「MONSTER WORLD」(Track.2)の主人公が恋愛をしたらこうなんじゃないか......ということですね。

竹縄:これは不平等反対の歌ですから。人類平等であるべきだし、恋愛においても俺が愛したぶん愛してほしい......という男の歌ですねー......(※何かを思い出すかのように遠い目をする)。

-寂しがり屋さんなんですね(笑)。

黒木:"かまってちゃん"だね(笑)。

竹縄:今日取材日なんですけど、いろんなインタビュアーさんから"かまってちゃんなんですね~"と言われていて(笑)。俺は普通なら気にならないような些細なことも気になっちゃうんですよ。さっきクロが言ってたLINEのことみたいなのとかも嫌だし。

橋本:竹ちゃん(竹縄)は感情のジェットコースターがすごすぎて大変そう......(笑)。

竹縄:はっしー、そういう言い方やめて(笑)? そういうときの方が曲ができるからしょうがない(笑)。ミュージシャンでよかった!


メロディがJ-POPの精密さや気持ち良さを持っているから、アレンジで海外的なアンバランスな感じ、大雑把な感じが出せる


-「ギブアンドテイク」はドラムの音もいいし、リズム隊がアッパーなぶん、ゆったりしたギターも映える。個々のプレイを活かしたアレンジになったのでは。今回もアレンジは4人で考えていくスタイルですか?

竹縄:いや、今回のアルバムの新曲たちは、基本的にクロがアレンジを考えたんですよ。俺が曲と歌詞に集中したいなと思っていたところに、みんなも"竹はそこに集中した方がいいんじゃない?"と言ってくれて。それで試しに、クロに「ファーストレディー」(Track.12)のアレンジをお願いしたらすげぇ良くて、それに味を占めてできた曲を片っ端からクロに丸投げして。『MONSTER WORLD』(2016年3月リリースのメジャー・デビュー・シングル)のカップリング「レジスタンス」や、『Wake We Up』(2016年8月リリースの2ndシングル)のカップリング「My name is...」をクロがアレンジしてくれたんですけど、ここまで一貫してクロにやってもらったというのはいままでと違うところでもあって。

黒木:そういう作業がもともと好きなので、「矛盾のおれ様」(Track.9)とか、竹から届いたものを聴いたときにパッとアレンジの構想が膨らんで。例えば「にたものどうし」(Track.4)は"ここではっしーがこういうベースを弾いたら楽しそうにしてくれるだろうな"とか、"亨がここでこういうふうに叩いたらすごく笑顔になるだろうな"と思ったことを全部詰め込んでいって。どの曲も、曲が持っているビート感と雰囲気とコード進行で"どういう感じが合うかな?"と探っていくような作業でアレンジを組んでいきました。竹のメロディはJ-POPの精密さや気持ち良さを持っているから、俺はアレンジで海外的なアンバランスな感じ、大雑把な感じが出せるというか。好き勝手やれているところはありますね。