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INTERVIEW

Japanese

チャットモンチー

2017年04月号掲載

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Member:橋本 絵莉子 福岡 晃子

Interviewer:石角 友香

-歌詞の"持ち主はもういない/さぁ 新しい歌リクエストして"っていうところはバンドがもう昔の曲をやらなくなった状況をイメージさせるので、"この新しい曲を聴いてくれ"っていう比喩なのかな? と思ったりしたんですが。

福岡:あぁ(笑)。そこは考えてなかったですね。そういうことではなくて、昭和感のある歌詞っていうのは意識しました。80年代的なビートということで、当時の日本のサウンドみたいなものもあるとチャットっぽいなと思って、"リクエスト"とか"ギター"とか"ベース"が歌詞に出てくるのも今までにあんまりないから、そういうの面白いかなと。

-全体の文脈より、イメージさせるワードが浮かんだという?

福岡:そうですね。やっぱり歌詞だけで書いてたら、ほんとに詞として成立するものに寄りたくなるんですけど、今回は先に曲があったので。しかも明るい曲だから、切ない歌詞をぶつけようって感じでしたね。

-なるほど、いろいろ深読みしてしまいました。今のチャットモンチーを見てほしいという意思表明なのかなと思っていました。

福岡:それはたぶん、どっかにはあると思います。

-そしてこのシングルは盛りだくさんで、「ほとんどチョコレート」(Track.2)はさらに体験的なサウンド・プロダクションですね。

福岡:ライヴで1回しかやったことがなかった曲を、もう1回ちゃんと作り直したらどうなるかな? って、作り直した感じです。

橋本:もともと2コードだけで、キー自体ももうちょっと高くて、声張ってワーッて歌うような曲だったんです。でももうそんなことしなくてもいいって思ってるので、今回キーを下げて。で、今はもう"メカ"ってモードなので。

-"メカ"(笑)。

橋本:(笑)メカニカルに打ち込んだ音と一緒に作り直したという感じですね。

-大きなテーマは何だったんですか?

橋本:大きな括りとしてはチョコの成分を歌ったりとか。歌詞を増やすときに、やっぱり今の気持ちとかも乗ってしまうから、話の内容が2番ぐらいからちょっと変わってはくるんですけど。

-"私の芝生は私が青くするよ"、"お前の芝生はお前が青くしろよ"っていう歌詞は、もともとのチャットモンチーらしいですね。

橋本:"お前"って1回歌ってみたい、使ってみたいっていうところは昔からありました(笑)。

-こういう音像なので怒ってるわけでもなく、余計に怖い感じが(笑)。

橋本:ちょっと冷たいですよね(笑)。

-自分で選んだもの、自分で選んだ場所、という印象をすごく受けました。

橋本:その、付け足した部分が、結果そうまとめたっていう感じですね。

-"何が悪いのよ/私の居場所は"というあたりですか?

橋本:うん、そことか"どうして見えなくなるの/誰かのものになったら"とかは、新しい5年後の自分って感じで(笑)、書いた部分です。それが結局"芝生を青くする"っていうところとうまくハマればいいなと思って書きました。

-そして「かわいいひと」(Track.3)のカバーはウルフルズのトリビュート・アルバム(2017年2月リリースの『ウルフルズ Tribute ~Best of Girl Friends~』)収録曲と同じバージョンですか?

福岡:はい。曲は選ばせてもらいました。なんかふたりとも「かわいいひと」がええなぁって。

-これってトータス松本さんがお母さんに向けて歌ってる曲で。

橋本:なんかそこがすごくキュンてきてたから、好きやったんですけど。

-女性が歌うと?

福岡:そこが一番大事なとこだと思いました。だからコーラスも変えさせてもらって。"息子"って言っちゃってるし。

-カバーってシンプルに楽しいものですか?

橋本:楽しいです。やっぱり、普通に聴くより、カバーするぞっていう目線で何度も聴くから、"こうなっとるんや"とかいろいろ思いますね。