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INTERVIEW

Japanese

Charisma.com

2013年07月号掲載

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Member:いつか (MC) ゴンチ (DJ)

Interviewer:天野 史彬

愛を語るにも喧嘩をするにも、PCやiPhoneの画面を通さなければいけない時代だ。誰もが認められ、許されたがっている。しかし、一体誰に?――MCいつかとDJゴンチから成る現役OLヒップホップ・ユニットCharisma.comは、そんな世の中の現状に唾を吐きかける。その攻撃対象は、世の中に渦巻く過剰な自己愛、承認欲求、マニュアル主義、会社の上司、同僚の女子……など様々あれど、その根底にあるのは一貫して、この社会の中を生き抜こうとする確固とした強さと自立心だ。“飾りじゃないのよ 中指は”。そう、この怒りは飾りじゃない。Charisma.com、彼女たちは本気だ。

-そもそも、Charisma.comはどういう経緯で結成されたユニットなんですか?

DJ ゴンチ:元々は中高の同級生なんです。いつかは高校を卒業してからバンドを組んだりして音楽をやってたんですけど、いつかのバンドがなくなった時、ちょうど私は何もやってなくて、誘ってもらったんです。

-中高生の頃は、ふたりで音楽の話はよくしてたんですか?

MC いつか:全然。部活はふたりともダンス部だったんですけど、音楽の話は全然してなかったですね。

-それなのに、どうしていつかさんはゴンチさんを誘ったんですか?

いつか:ゴンチは高校を卒業した後に留学してたんですけど、私は大学に進学してて。ゴンチが日本に帰ってきた時に、暇そうだったんですよ。元々、私はシンガーの子と組む予定だったんですけど、DJも入れたら見栄えがよくなるかなと思ってて。ちょうどゴンチのお兄さんがDJをやってたから、機材も揃ってるなと思って、“ゴンチやらない?”って誘ったんです。

ゴンチ:それで、ほんとに何もわからないまんま、軽いノリで“いいよ”って言っちゃったんです(笑)。

-その頃から、今みたいにヒップホップをやろうっていう意識はあったんですか?

いつか:全然なかったです。私はその時その時にやりたいものをやってましたね。最初はバンドで、ロック、パンクって感じでした。POLYSICSと凛として時雨が好きだった、みたいな。まぁ、やってることはそのふたつとかけ離れてたんですけど(笑)。最初の頃は、“あなたが好きよ”みたいな歌を歌ってた時もありますし……今となっては奇跡ですね(笑)。でも、音が取れなくて、自分は歌が上手くないなって気づいたんですよね。で、その頃、友達とカラオケとか行くと、みんなラップを飛ばしてたんですよ。“ラップやったほうがおいしいっしょ”みたいな。それで、ラップがある曲のラップ部分をカラオケで歌い始めたんです。

-そこから、今みたいにがっつりとヒップホップをやり始めたのはどうしてだったんですか?

いつか:ラップを上手くなりたいと思うようになったら、自然とヒップホップを聴くようになっていって。そこからですね。ただ、私的には今、Charisma.comはヒップホップをやってるつもりはなくて。ラップはやってるんですけど。ヒップホップはあくまで好きなものって感じですね。だから、今やってることのジャンルは、自分たちでもわかんないんですよね。4つ打ち、ラップっていうだけ(笑)。

ゴンチ:ポップス?

いつか:ポップスかぁ?……ロックでもないし。わかんない。謎。

-今のCharisma.comのような、アグレッシヴなエレクトロ・トラックと社会に対する不満をぶちまける歌詞っていうスタイルが作られたのは、いつ頃なんですか?

いつか:完全に私とゴンチのふたりでやり始めてからですね。でも、それ以前からちょっとずつ、私の中の毒がどんどん出ていく感じになってきたんですね。それが、ふたりでやり始めて確立されたっていう感じですね。

-いつかさんの中の毒がどんどんと音楽に出てきたのは、どうしてだったんですか?

いつか:なんですかね……働き出だしたことが大きかったかもしれないです。歳をとるにつれて、“いや、それは違うんじゃない?”って相容れなくなってしまうことも増えてきて。それに対する毒がモクモクと出てきたんだと思います。

-今も、いつかさんとゴンチさんは現役OLとして働きながら、音楽活動をやられてますよね。Charisma.comが始まるタイミングと、社会人として生活し始めるタイミングって、大体同じくらいだったんですか?

いつか:ちょっとずれてます。OLとして働き始めてからも、“好きよ”みたいな綺麗な感情の歌を書いてる時もありました。ただ、それから働く期間が長くなってきて、毒が増していった感じですかね(笑)。