2011年の結成から現在までのCharisma.comのオリジナリティを凝縮した全19曲からなる初のベスト・アルバム。バキバキのEDM寄りのエッジーな「HATE」、「お局ロック」、「サプリミナル・ダイエット」。OL時代の女子に対する様々なツッコミも、圧倒的なラップに乗ると切れ味抜群の新しい表現に聴こえる。この発明は、女性のみならず他のラッパーも似た者がいないMCいつかの独壇場。生音など、トラックメイクの方向性が変化した『not not me』以降の楽曲センスは、まさにこれから進化しそうなだけに残念さも募るのだが......。新曲「りぼん」と「グララ」の曲調の違い、また、今をときめくTokyo Recordingsによる「Hello 2」のトラップ以降のラップ・ミュージック世界基準の音作りもクールで上品。
従来の攻撃的なエレクトロ・サウンドと重低音の効いたサウンドメイクから、グッと音数を減らし、圧で押すより曲そのものの同時代性に快哉を叫びたくなるメジャー初のフル・アルバム。ダンサブルでありつつ、ギターなど生音のグルーヴが新鮮なTrack.1「#hashdark」。OKAMOTO'Sのハマ・オカモトのベース1本で展開する驚きの新境地であるTrack.6「classic glasses」、SOIL&"PIMP"SESSIONSの社長らしさが功を奏した、ビッグ・バンド風のTrack.8「婿においで」、二度目のタッグとなる西寺郷太との洗練されたファンキーさが粋なTrack.5「Lunch time funk」など、リスニング・アルバムとしても十二分に楽しめる。攻撃的なだけじゃないメロディやメロディに近いラップを聴かせるMCいつかの表現力、全体の構成力にも注目を。