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INTERVIEW

Japanese

オワリカラ

2011年05月号掲載

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Member:タカハシヒョウリ(Vo&Gt)

Interviewer:島根 希実


-今回、ブログも拝見させていただいたんです。その中で、タカハシさんのよりカジュアルな言葉、よりフラットに書いた言葉や考えを垣間見させていただいたのですが、やはり、とても濃ゆい人だな思いました。60年代~80年代のサブカルチャーだったりに精通されているせいなのか、不思議な時間軸を持っている人だなと。

たぶん、今流行っているかどうかっていうことでものを好きになったりしたことが、あんまりなくて。これはたぶん性分なんですけど、単純に触れて良いなって思ったものを調べたりするの好きなんですよね。例えば、一本いいなって思うドラマの1話があったら、絶対それを全部観て、その映画版も全部観て、本も読むっていう。子供の頃からそういうのが染みついちゃってて。根本的にすごい凝り性なんですよね。そういう性分があるから、こっち好きになってこれだけものすごい詳しくなって……ってことを繰り返してたら、よく分かんない感じになっちゃったと思うんだけど(笑)。

-それって、楽曲の中に何かしらの形で生きてきていると思われますか?

すごい出てると思いますね。例えば、すごく攻撃的とか破壊的っていうイメージがするものがあったとするじゃないですか。それって、人によってはロックンロールとか、人によっては戦車とか色々あると思うんですけど……。僕、それが怪獣なんですよ。で、今回のアルバムの歌詞にも怪獣がいっぱい出てくるんだけど、そういう表現をするのは自分の性分っていうか、好きなものがもろ出てるなって思うんですけど。

-そういう独自の、ディープな世界観が混在するタカハシさんの文章を見ていく中で連想したことなんですが……。オワリカラと活動フィールドはかぶっていませんが、同世代のバンドである“踊ってばかりの国”、そのヴォーカルの下津さんの作品世界にもこれと同じものを感じたんです。

それ、面白いな。書いてください(笑)。

-下津さんの場合は、独自の死生観に裏打ちされた世界観。生きることと死ぬことが紙一重というか、ほんとの意味で表裏一体。“死ぬこと”の横で平気で笑ってケツ掻いてポテチ食ってるような…。

僕がずっと思ってることは……。ネガティヴなこととポジティヴなことって、ずっとあるんだと思うんですよね。その両方が、ずっと同じだけの量を、同じスピード、同じ大きさで、この世界の根底にずっとあるんだと思うんだよね。それを、嬉しい時はポジティヴなものをとか、悲しい時はネガティヴなものっていう風に人間は使うけど、ほんとは、それ全部ひっくるめたうえでで僕らはその上にいるんだろうなって意識は昔からあって。だから、例えば今回“優しいことでも悲しいことでも側にいたのに”っていうのが「ベイビーグッドラック」の一番最初の歌詞に出てくるんだけど、まさにそういうことで……。ネガなものとかポジなものもそうだし、すごい大きなものとちっちゃいものとかっていうのも全部一緒に側にいるんだろうなと思ってるんですよね。それが自分の音楽のテーマというか、根底にあるものだと思うんだけど、それがもしかしたらそう思わせるのかも。

-そういったものたちを音楽の中にも出していきたいと思われますか?

そうですね。自分の中にあるものをそのまま使いたいし、そのまま音楽にしたいと思ってるので、人間性もそういうところで作られたんだと思うんですよね。だから、例えば手塚治虫の漫画と現実世界とウルトラマンの世界みたいなものが、全部同列に自分の中ではあって、それの中で育ってきたんだっていうような感じはあるけど。

-では、最後に。次へと一歩進んだ、最高にアクティブな作品を作られて、改めてこれからそれを聴くみんなに伝えたいことは?

聴いたら、ダイレクトにオワリカラのことが伝わると思うので、今回は脳みそでも体でも、外でも中でも楽しめると思うので、是非聴いてみて欲しいと思ってます。

-プレイもそうだし、曲もそうだし、バンドしての状態もそうだし、全部が、1stを経て、ツアーを経て、一歩進んだ形ですね。

確実に前進したと思う。

-もちろん前作も、そして今作も、毎回がリアルなオワリカラですね。

現在進行形のオワリカラですね。間違いなく。