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INTERVIEW

Japanese

2010年08月号掲載

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Member:近野 淳一:(Vo&Gt)一関 卓:(Ba)渡邉 光彦:(Dr)

Interviewer:道明 利友

メジャー・デビュー・シングル『夢』、そして2ndシングル『風のメロディ』と、自らのアイデンティティである“激情”を根底に持ちながら、新たな表現の可能性を鴉(からす)は模索してきた。東京での2度目のワンマン・ライヴとなった6月19日・下北沢SHELTERを熱狂で締めくくり、バンドとしてたくましさをさらに増した彼らが放つニュー・シングル『黒髪ストレンジャー』も、“激情”のイメージだけには収められない意欲作だ。その「黒髪ストレンジャー」を披露した下北沢SHELTERライヴをあらためて振り返りながら、現在の彼らがどんなマインドいるのかを探ってみよう。

-「黒髪ストレンジャー」は、先月号でレポートした下北沢シェルターワンマンでも聴かせてもらいました。イントロの長いセッションも新鮮だったんですけど、ああいう試みは鴉としては珍しいんじゃないですか?

一関:はい。初めてやりましたね。ああいう試みを、人前で。

近野:練習中とかに、本当にたまにやることはあって。でも、それを人前に持っていくつもりもなかったんですけど……。曲を普通に、機械的に繰り返してやるんじゃなくて、とっさの瞬発力みたいなものがちょっと欲しくなってきて、やってみたんですよね。

渡邉:スタジオでも何回もやったんですけど、演奏は毎回違うし、むしろ、毎回違うふうにしようって気持ちもあったし……。でも、意外と手くせみたいなのは決まってきちゃったりもして、まだまだネタ不足だなぁと(笑)。もっともっと、色んなものが出せないと。

-ネタは多く貯めておかないと、いざというときに出せないでしょうからね。とっさに面白いものが出せる、瞬発力が必要だと。

渡邉:そう。あと、それを出す勇気が(笑)。

近野:ウチのメンバー自体全員共通してるのは、たぶんそれかなって。もしかしたら、心の中にはウズウズしてるものはあるけど、それが出るには時間がかかったり、ずっと出してなかったりして……。それをライヴで実際にやってみて、俺はふたりから色んなものが見えたし、自分に対しても色んなものが見えたし。いい経験だったよね。

一関:うん!

渡邉:面白かったっす!

-ファンの反応も温かかったですね。激しくもちろん盛り上がり、曲を本当にしっかり受け止めていた感じがしました。

一関:あの反応は、ちょっとウチらの予想を超えてましたね。鴉のライヴってこんなんだっけ? ぐらいな(笑)。

近野:そうだね。でも、だから、かなり純粋にぶつかっていけたっていうのはあるかもしれない。ああいう雰囲気が初体験だったからこそ、本気で……。アゲられるところはアゲられて、でも、こっちはヘタらないように、“絶対曲げない!”って部分もありつつ。

一関:SEが鳴って出て行った瞬間から、雰囲気がなんか違ったしね。なんか、押し迫るようなものが客席からあって。

近野:図太い感じはしたかな、声援が。まぁ単純に、男子比率が高かったせいもあると思うんですけど(笑)。声援の太さがいつもと全然違うけど、“これは、新しい何かが……”っていう感じはありましたね。

渡邉:で、出て行って、1曲目から新曲だったんですけど……。なんか、思ったより緊張しなくて、わりと大きな気持ちでやれたような気はして。プレイの精度うんぬんはおいといて、わりと視野を広く、大きな気持ちで演奏できたような気はするんで……。いい感じで次につなげたいですね。