Japanese
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鋭く叙情的なメロディ。包み込むような轟音。静と動を往来するたしかなリズム。そのすべての中心にある、歌――革新的な何かが鳴っているわけではない。しかしここには、グランジ以降のオルタナティヴ・ロックが、あるいはハードコアを起源とするエモコア・バンドたちが積み上げてきた偉大な足跡がある。そのあとを引き継がんとする気高い意志がある。bloodthirsty butchers、NUMBER GIRL、HUSKER DU......偉大なる先達たちの名前が思い浮かぶ。或る感覚の約2年ぶりとなるフル・アルバム。このアルバムは目新しさばかりが取り沙汰されるシーンにおいて、どこまでも実直に"音楽"と"人生"に向き合っている。人と音楽が共に歩む"歴史"と"未来"。そのすべてを照らすこのアルバムはきっと、10年後も誰かにとって大事なものであり続けるだろう。(天野 史彬)