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COLUMN

夜の本気ダンス 米田貴紀の「ディスク男(マン)!」【第10回】

2017年09月号掲載

夜の本気ダンス 米田貴紀の「ディスク男(マン)!」【第10回】

Radiohead / Hail to the Thief

中学生の頃にN.E.R.DRock Starという曲をなぜかRadioheadの曲だと勘違いして地元のCD屋さんで間違えて買ってしまったこの1枚。
N.E.R.Dはアメリカのhiphop系のアーティストでRadioheadの楽曲とは似ても似つかぬイケイケな音楽。
Hail to the Thiefの1曲目2+2=5を聴いた瞬間にCD完全に買い間違えたなと気づきました......。
エレキギターのジャックにシールドを差し込む時のノイズから始まるこの曲。初めて聴いた時の感想は、なんだかおばけが出そうで怖いしずっと聴いていると眠たくなるなと、ひどいものでした。1曲目以降もだいたいそんな感じの感想で、それからは完全に入眠ソングとして聴いていました。

入眠ソングでは無くこのアルバムを純粋に楽しめるようになったのはそれから5年程経ってからでしょうか。
大学生になった僕は久しぶりにRadioheadでも聴いてみるかと昔買ったHail to the Thiefを取り出し聴いてみたのです。
すると全く聴こえ方が違う!これは完全にダンスミュージックだと。そう思ったのです。
初期のギターロックに中期のエレクトロニカの要素が見事に融合し最高のバランスでこのアルバムは成り立っていると感じました。
後にも先にもこの絶妙なバランスのアルバムは無いと僕は思っています。漫画でも巻が進むにつれて、作者の画力が上がって作品の質が変化していく事がありますよね。
最終巻が1番画力的にはすごいけれど、オレは真ん中あたりの巻の絵が好きやなとか。
なんかそれと似たような感じで僕はこのアルバムが好きなんやなと思います。