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3年半ぶりの新作は、グラミー賞の3部門を受賞した『Morning Phase』から一転、売れっ子プロデューサー、Greg Kurstinとともに完成させた極上のポップ・アルバム。いわゆるブルー・アイド・ソウルを、80'sっぽいきらびやかなシンセで飾り、現代的なグルーヴでバウンシーに聴かせるサウンドは、まさにモダン・ポップ職人Kurstinと組んだ成果。Bruno Marsとはまた違った形で、最新のポップスの在り方を提示することに挑んだ1枚と言ってみたい。しかし、それだけで終わらないのがBECK。ガレージ・ロックっぽいギターが鳴る「I'm So Free」、ブギウギ・ピアノが跳ねるTHE BEATLES風ポップ・ナンバー「DearLife」、ヒップホップの「Wow」といった変化球を加え、BECK印をしっかり刻み込む。
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メジャー・デビュー・シングル『We Are Young』が大ヒットを記録し、ニューヨークを拠点に全世界へと活動を広げているFUN.。Kanye Westらを手がけているJeff Bhaskerをプロデューサーに迎え制作された同アルバムは、ロックをヒップホップやポップスのテクニックで昇華。リズムとが曲の持つムードを盛り上げてゆく。どの曲もドラマティックでダイナミック、美しいコーラス・ワークも相まってまるでミュージカルを見ているような高揚感だ。ポップな楽曲に時折混じるテクニカルなギター・リフもスパイスになっている。言葉を果敢にはじき出すNate Ruessのヴォーカルは、シンガーとしての存在感も抜群。情熱溢れる歌声には、不可能なことを可能にできるようなパワーが漲っている。
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"FUJI ROCK FESTIVAL '22"にヘッドライナーとして出演したJack White。今年は、すでにアルバム『Fear Of The Dawn』を発表しており、今作は2022年2作目のアルバムになる。前作とは本来同時リリース予定だったらしいが、生産事情により発売時期がずれたようだ。それにしても、2作のギャップがすごい。ラップを入れたり、ポスト・パンク的なちょっと尖った90年代インディー、オルタナ臭を放っていたりした前作とは打って変わって、今作はブルース、ジャズの香りを残した古き良きロックを展開。それでいてどちらもJack Whiteらしさ全開なのだから脱帽だ。器用なソングライターの面と、自己プロデュース力のハンパなさが為せる業。本当に楽しませてくれるアーティストだ。
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Jack Whiteの新たな覚醒をアピールする3作目のソロ・アルバム。BeyoncéやA TRIBE CALLED QUESTとの共演がその前兆だったのか、大胆にヒップホップ、ファンク、ジャズに接近。そのうえでゴスペル、ジプシー・ジャズ、フォーク、クラウト・ロックといった多彩な要素を散りばめ、これまでで一番自由に楽曲を作り上げている。それでもJack Whiteという個性がこれっぽっちもブレないのは、アルバム全体をブルースとLED ZEPPELIN愛が貫いているからだろう。ジャム・セッション風のフリーキーな楽曲が大半を占めるなか、ラウンジ風のピアノ・バラードにアレンジしたドヴォルザークの「Humoresque」でラストを締めくくり、味わい深い歌の魅力を印象づける。
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ジャズ、ブルース、R&B、フォーク、カントリーといったアメリカの大衆音楽をネタに思いっきり楽しんでいるという意味では全米No.1になった前作と同路線と言えよう。しかし、2年2ヶ月ぶりとなるソロ第2弾は、より自由に楽しんでいるという印象。Jack流のラップやレゲエのリズムの導入など、さらなるアイディアの閃きも感じられる。ソロ・アーティストとして自覚が芽生えたことも大きいようだ。THE WHITE STRIPESの影は、ほとんど感じられない。前作発表後、ツアーを共にしてきたメンバーとライヴ・レコーディングを行い、その後、時間をかけて編集し、曲を練り上げたそうだ。ルーツに根ざしながら、決して型にはまらないブロークンな表現は、何が飛び出すかわからない面白さでいっぱいだ。
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来年3月に来日公演が決定しているアメリカン・ロックを代表するバンド、WILCOから通算13作目となるスタジオ・アルバム『Cousin』が届いた。本アルバムは英ウェールズのミュージシャン Cate Le Bonをプロデューサーに迎えて制作。彼らが外部プロデューサーと組むのは6thアルバム『Sky Blue Sky』(2007年)以来とのこと。キャリアを通じて一貫された実験的な姿勢は今作でも健在で、オルタナ・カントリー・テイストのリード曲「Evicted」で見せるシンプルな音像ながらも繊細で奥深い表現力には舌を巻くばかり。Le Bonが"WILCOのすごいところは、彼らが何にでもなれること"と語っているように、WILCOというバンドの柔軟性と懐の深さを再認識させられてしまう1枚。
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"俺が作る最高の曲を、お前ら、どれだけぶっ壊せるんだ!?"というフロントマン、Jeff Tweedyの挑戦に経験豊富な名うてのミュージシャンたちが応え、バチバチと火花を散らしていたWILCOも今は昔。Tweedyのソロ活動を挟んで、3年ぶりにリリースするこの11作目のアルバムは、作品を重ねるたびごとに強まっていった歌志向がついに頂点に達したことを思わせる。まるでTweedyのソロを、WILCOのメンバーと作ったみたいだ。最初に聴いたときは、ボソボソと歌うTweedyのヴォーカルの印象のせいか、あんまり地味でびっくりしたが、聴いているうちに味がしみるいわゆるスルメ盤。Tweedyが屈指のメロディメーカーであることを改めて実感。バンドの演奏はちょっとTELEVISIONを思わせるところも。
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ベスト盤、レア・トラック集を挟んで、現代のUSロックを代表するバンド、WILCOが4年ぶりにリリースした9作目のオリジナル・アルバム。その印象を端的に言うなら、THE BEATLES(の影響)とアヴァンギャルドなサウンド。前2作の流れからさらにルーツ・ロック色濃い作品になるかと思いきや、こういう作品を作ってしまうところが現代屈指のソングライターが率いる最強のポスト・ロック~ジャム・バンドであるWILCOの面白さ。変拍子やノイズも交え、00年代前半に追求していたプログレッシヴなバンド・アンサンブルにアプローチしながら、それをポップ・ソングとしても楽しませることができるのが今の彼らだ。全11曲30分強という長さも心地いい。つまりここにはムダなものは一切ないということだ。
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オルタナ・カントリーという音楽基盤を持ちながらも実験的な試みを繰り返し、知性溢れる良質な楽曲を生み続けるアメリカ、ポスト・ロック界の至宝WILCO。ベスト・アクトとの呼び声高いFUJI ROCKでのライヴが記憶に新しい彼らだが、その時、披露された「I Might」や「Dawned On Me」といった歌心溢れるライヴ・ナンバーも収録された今作は、新たに設立された彼らのレーベルdBpm Recordsからの初作品。メンバー個々の確かな技能によるバンド・アンサンブルが美しい構成を成し、随所に配された音楽IQの高さが伺えるアイデアに二ヤリとさせられる。豊潤な音の実りを感じさせる今作は、全音楽ファン必聴の内容だ。国内盤には、秋よりツアーを共にするあのNick Loweのカヴァーが収録(涙)!
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WILCOの最高傑作と言われる4枚目『Yankee Hotel Foxtrot』から7年。当時夢中になって『Yankee Hotel Foxtrot』を聴いた憶えがある。その後主要メンバーの脱退を経ながらも2 枚のアルバムをリリース。音楽的冒険心はあるものの、やはり『Yankee Hotel Foxtrot』を越える作品にはなっていなかった。そして今回の通算7枚目のオリジナル・アルバム。タイトルは初のセルフ・タイトル。60年代のサウンドを意識したと語る様に、とても耳障りのいい作品。「Wilco(This Song)」を筆頭にシンプルで前2作には無かったとても明るく風通しいい楽曲が並ぶ。Feistとのデュエット・ナンバーも収録。こんなWILCOを待ってました。充実の力作。