今なお多くの制約を強いるコロナウイルスは、かえってフレデリックの闘争心に火を点けたのかもしれない。いち早くリモート制作の体制を整え、従来の音楽性を踏襲しながらもEDMに突き抜けた「されどBGM」を7月に先行配信。次いで、得意とする緻密な音遊びが光る「Wake Me Up」、ファンキーな中にポリティカルな主張も連想させる「正偽」、青春も熱狂も失ってしまった今夏に対して歌う「SENTIMENTAL SUMMER」の計4つの新曲をリモートで制作。そこには変わらず、むしろ凄みを増して滾る人間臭さがあり、且つそれらをまるっと包んでしまえるポップネスな力もある。どんな状況下でも、我らが"遊び場"を取り戻す日まで、音を鳴らすことをやめない。今作はそんな決意表明だ。
「シャルル」で一世を風靡したボカロP"バルーン"が、須田景凪としてunBORDEより1st EP『teeter』をリリースする。ダンロップのプロモーション・アニメ動画"ROAD TO YOU ~星降る丘の約束~"の主題歌に起用された「レソロジカ」、YouTubeで先行公開され100万回再生を突破し話題の「Dolly」、切ないバラード「浮花」など全6曲を収録。中毒性のある計算し尽くされたメロディは何度も聴きたくなるし、危なげな歌詞も一言一句聴き逃したくない。そのソングライティングのセンスが抜群なのはもちろんのこと、楽曲の魅力を引き立たせる歌声の存在感が際立つ1枚。才能溢れる須田景凪が、これからの日本のポップ・ミュージック・シーンに新しい風を吹かせるに違いない。