Japanese
2021年02月号掲載
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2019年のメジャー・デビュー以降初のフル・アルバム。収録曲数15曲というボリュームに活動の充実ぶりが表れているほか、サビとそれ以外で音像を大胆に変える「Vanilla」、ジャズ由来のアプローチがアクセントとなる「刹那の渦」、ドープな「メメント」や「風の姿」......と、クリエイティヴィティの光る曲が揃っている。メジャー・デビュー以降の須田は、タイアップ曲も多数手掛け、他者と交わることでどんどん開けていった。その一方で深く潜る=振り切ったサウンドを鳴らすことにも、思い切り挑戦できるようになったのだろう。平衡感覚を失った心地にさせられる不思議で仄暗いサウンドは、正しくいられずとも懸命に生きる者を肯定するかのよう。ヴォーカルの独特な膨らみも際立たせる。(蜂須賀 ちなみ)
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