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あるくとーーふ (12)
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前作『サイファールーム』から1年と少々という時間は、あるくとーーふにとってこれまで以上にクリエイティヴな時間となったようだ。高校の同級生でバンドを始め、"未確認フェスティバル"でファイナリストになるなど、10代のうちから抜きん出たポップ・センスで同世代の心を掴んできたバンドだが、今作でそのファン・ベースはより裾野を広げると思う。エネルギーを存分に内包したバンド・サウンドのムードはそのままに、洗練された音作りや構築的なアンサンブルが、奔放な利佳子のヴォーカルの自由度や歌心を広げて曲に心地よいグルーヴを生んだ。引き算で作り上げたサウンドは感覚的だと言うけれど、余韻や余白をも演奏で表現しているのが大人っぽくバンドの新たな横顔も覗かせる。バンドがきらめく瞬間を捉えたマジカルなEPだ。(吉羽 さおり)
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"攻撃的ポップバンド"を自称する通り、ピアノを擁するきらめくポップ・サウンドに、現実を鋭いまなざしで捉えるエッジの効いた歌詞を両立させる長野発の男女混成5人組バンド。今作のテーマは"脱出ゲーム"。現状に満足しない姿勢を脱出ゲームにたとえ、もっと広い場所へ行きたいと願うハングリー精神を表しているという。圧倒的な中毒性と衝動で駆け抜ける「ダイナマイトタウン」をはじめ、明るい未来への祈りを優しい筆致で綴ったバラード曲「光の栞」、物語のその先に向かう賑やかなポップ・ソング「エピローグからショータイム」へ。物語のその先へと向かってゆくカラフルな全7曲は、偽物の感情や忘れられない思い出、無力な言葉など、どこか過去の作品ともリンクする歌詞が散りばめられ、このバンドの巧みな構成力が光る。(秦 理絵)