"青春3部作"完結編となる3rdミニ・アルバムをリリース後、"ROAD TO EX 2017"優勝を果たした千葉県成田市出身の4人組による、"新時代"と"新世代"をテーマにした4thミニ・アルバム。シンセを大胆に取り入れたスケール感のあるポップ・ソング、ファンタジックなバラード、J-POP的パーティー・ソングから、渋いギターが随所で唸る無骨で遊び心たっぷりのロック・ナンバー、デジタル・サウンドとテクニカルなリズム・プレイの交錯が光るダンス・ロック、アコースティック色の強いミディアム・ナンバー、エモーショナルなエレクトロ・ポップまで、時代感やジャンルの異なる煌びやかな7曲が揃う。ここまでカラーの異なる楽曲を作り1枚にまとめるとは。"全年齢対象バンド"の意地にも近い信念を見た。
『KEEP ON ROLLING』(2016年9月リリース)、『TRANCE』(2017年4月リリース)と続いた"青春3部作"のラストを飾る3rdミニ・アルバム。疾走感溢れるギター・ロックから透明度の高いポップ・ソング、あたたかなミディアム・ナンバーからストリングスとともに羽ばたく壮大な楽曲まで、全7曲といえどもそれぞれの表情は様々。それでもとっ散らかっている感じがしないのは、全年齢対象を謳ってきた4人が大切にしてきた"嘘をつかずにひとりひとりへ届ける"という核の部分がしっかり貫かれているからであり、そこにバンドの軌跡が滲み出ているからだ。3枚を順に辿るのももちろんいいが、BESGへの入り口としてまずは本作に触れてみるのもいいかもしれない。
飽和状態にある昨今のギター・ロック・シーン。しかしそのど真ん中を堂々と鳴らすBOYS END SWING GIRLの音楽は、少年性を含んだ冨塚大地(Vo/Gt)の歌声、今しかない青さを瑞々しく描いた歌詞、耳馴染みの良さ抜群のメロディ、自然に楽曲を輝かせるアレンジ......それらすべての相乗効果で、シーンに埋もれない確固たる色を見せている。自ら"青春盤"と呼んでいるという今作は、その真骨頂を凝縮したような仕上がりで、人生において最も多感な時期の感情をストレートに投げ込んでくる。しかも、一度は解散まで視野に入れたバンドが、負のスパイラルを払いのけて這い上がり、再び音楽に夢を抱いて"一歩踏み出せば何かが変わる"と信じながら放つ挑戦の一手。この1枚にかけられた強い思いが、音からも滲み出ていて頼もしくて仕方ない。