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ENTHRALLS (17)
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2013年から1年に1枚、計3枚のミニ・アルバムを制作し、3部作を完成させた彼女たちのネクスト・フェーズとなる1stフル・アルバム。作品のテーマは"質感"と"潤い"で、これまでの作品と比較してもポジティヴィティに溢れ、ピアノ・ロックの概念に縛られないゆとりのある伸びやかなサウンドになった。太さのあるファルセットによるハイトーン・ヴォーカルは今作のサウンドスケープとの相性も抜群で、以前よりさらに歌、歌詞、メロディの輪郭が鮮やかに。J-POPとしても成立するものになっている半面、ピアノの音色を残しながら各楽器が楽曲ごとに異なる音色を作るところや、奔放なリズム・セクションで構成されたTrack.7など、コアな手法をあくまでさりげなく用いてくるところも小粋だ。(沖 さやこ)
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夜は孤独で苦しい時間。だが、夜ほどやさしい時間というのも存在しないのではないだろうか。劇場型ピアノ・ロックを掲げて活動するENTHRALLSが"ねむれない夜"をテーマに制作した3枚目のミニ・アルバムでは、無駄を削ぎ落とし洗練されたダイナミックなサウンドが打ち出される。ある種のシンプルさを志向しているものの、その音に自然と惹きつけられるのは、確かな技量に裏打ちされた演奏にそれぞれの強い思いが込められているからであろう。今作の核を成すのは、魂を奮い立たせるドラマチックでスケール感のあるTrack.4。COLDPLAYの楽曲にも通じる力強さを感じさせ、聴く者を包み込み肯定するこの楽曲は、今の彼らのすべてが詰め込まれた新たなスタンダードとなるはずだ。ここまで様々な音を吸収し表現してきた彼らが、進むべき道を見定めた今、次の作品こそが本当の勝負作となるであろう。(山元 翔一)