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PHONO TONES (35)
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ジャム・セッションと垂れ流しのインプロは違うのだ、と演者でない人間でもわかる。インストでもプレイヤーのエゴじゃなく伝えたい感情なり情景があるからこのメイン・リフやメロディ、ビートなんだとわかる。だからPHONO TONESはいい意味でキャッチーなのだ。そのうえで今回の3rdアルバムは抜き差しや展開が"読めない"楽しさが横溢。曲調も多彩だ。飯塚の生ピアノのジャンルレスな"広さ"や、海をイメージさせる王道の音色からカオティックな歪み感まで多彩な宮下のペダル・スティール、それらの上モノを支え、時に共に"歌う"伊地知と猪股のリズム隊。爽快な海も灼熱の海もあるけれど、例えばラスト前の「High & Lonesome」が醸す寂寞感、そんな普通の日々がポロッとこぼれ出るあたりに純粋にバンドとして信頼を寄せてしまう。(石角 友香)
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ASIAN KUNG-FU GENERATIONの伊地知潔とDr.DOWNERの猪股ヨウスケの名前が前に立ちがちだが、このバンドの肝はまるでヴォーカルのように変幻自在で時にカオティックな宮下広輔のペダル・スティールだろう。そこに絡む飯塚純のエレピもエモい。いわゆるインスト・ジャム・バンドともサーフ・ロックとも違う、横浜という都市に近い海の文化を背景に持つオルタナティヴなクルーズ・ロック。どの曲もユニークだが、「Autumn Sword Fish Dance」のジャズと祭りばやしとレゲエがコングロマリット状態なアレンジ、テンション高めでハードボイルドだけどそこがむしろ笑える「石川町ファイヤー」、元cutman-boocheのウリョン(Vo)参加の歌ものナンバーなど、音楽の楽しさ満載。ユルすぎない夏のお供に。(石角 友香)