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金子ノブアキ (58)
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これまですべての楽器を自分で演奏し、宅録で、ラップトップで、静かにその内なる世界をサウンドへ落とし込んでいった金子ノブアキのソロ作。この3rdアルバムでは、ライヴのメンバーで参加したPABLO(Pay money To my Pain)をギターに迎え、確実にプレイヤーの熱を封じ込めるレコーディングを敢行した。ライヴ的な気迫が、曲のリリシズムを鮮やかに爆発させるサウンドを作り上げている。一方、このソロに流れている自らの思考へと、深く深く潜り、言葉や旋律を見つけ出していく静かな探索は変わらずにあって、美しい何かを手にしていく多幸感は増している。そんなふうに、深くダイヴして、めまいを覚えるような恍惚の中で勢いよく浮上していく、そのすべてが余すことなく音になった感覚。濃密な音にどっぷり浸かれるアルバムだ。(吉羽 さおり)
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前作がインディーズ・リリースだったゆえ、このアルバムで初めて金子ノブアキという音楽家のパーソナルな音の世界観や哲学に触れるという人も増えると思う。RIZEやAA=等でのラウドな音や"動"を司るフィジカルな肉体の内にある、観念的な世界、それも繊細で思慮深く、想像力に富んだ世界の広がりに驚くかもしれないし、目の前に差し出される神聖な美しさを持った音にハッとするかもしれない。生と死について吟遊詩人のように嘯き、そしてエレクトロ・サウンドがタペストリーの如く物語を織り上げていく。Asgeir等の音響詩人的な感覚もあってメロウな響きに酔いつつ、映像的なサウンドスケープが五感を刺激する。1曲1曲も、アルバムの中に流れる思考の流れも堪能してほしい。(吉羽 さおり)
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RIZEのドラマーであり、最近では俳優としても活躍する金子ノブアキによる初のソロ・ワーク『オルガ』。2008年秋頃から半年以上に渡って自宅スタジオで製作を続けてきたというこのアルバムでは、ミクスチャー・バンドRIZEのドラマーという枠に縛られない、一音楽家・金子ノブアキとしての新たな一面を打ち出している。ストリングスを導入した荘厳なバラードから骨太なハード・ロック、さらにはチルアウト気味のR&Bまで、様々なタイプの楽曲に挑みながらも、視覚的でドラマティックな作品となっている。洗練されたサウンド・プロダクションも、その世界観をしっかりと支えている。ヴォーカル、ギター、ドラム、ベース全てを金子自らが演奏するなど、金子ノブアキが持っている音楽性の幅広さと可能性を示した意欲作。(佐々木 健治)