Japanese
2014年02月号掲載
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前作がインディーズ・リリースだったゆえ、このアルバムで初めて金子ノブアキという音楽家のパーソナルな音の世界観や哲学に触れるという人も増えると思う。RIZEやAA=等でのラウドな音や"動"を司るフィジカルな肉体の内にある、観念的な世界、それも繊細で思慮深く、想像力に富んだ世界の広がりに驚くかもしれないし、目の前に差し出される神聖な美しさを持った音にハッとするかもしれない。生と死について吟遊詩人のように嘯き、そしてエレクトロ・サウンドがタペストリーの如く物語を織り上げていく。Asgeir等の音響詩人的な感覚もあってメロウな響きに酔いつつ、映像的なサウンドスケープが五感を刺激する。1曲1曲も、アルバムの中に流れる思考の流れも堪能してほしい。(吉羽 さおり)