Overseas
TWO DOOR CINEMA CLUB|SUMMER SONIC 2011
Skream! マガジン 2011年09月号掲載
2011.08.14 @QVCマリンフィールド&幕張メッセ
Writer 山田 美央
広大なスペースを誇るMOUNTAIN STAGEに登場したTWO DOOR CINEMA CLUB。わずかアルバム1枚をリリースばかりの彼らは、昨年に続き2度目のSUMMER SONIC出演を果たした。
この日のパフォーマンスでは、通常の3ピースにドラムを迎え、軽快なメロディを加速させていた。フロアの大喝采の中登場するやいなや、ステージを照らすライトと「Cigarettes In The Theatre」のギター・フレーズが鳴り響き、オーディエンスの沸点を上げる。1曲目からモッシュの嵐とダンスするオーディエンスに、MOUNTAIN STAGEが大きく揺れていた。生楽器の迫力を生かした暴れるような演奏の中、「Undercover Martyn」のAlex Trimble (Vo&Gt)は、表情を崩さずクールでジェントルなパフォーマンスを見せる。
これほどの疾走感と熱量を創りだしながら、Alexのヴォーカルはバランスを失うことなく瑞々しい透明感を保っている。オーディエンスを限定せずに取り込める最大の魅力は、キャッチーなサウンドはもちろんのこと、耳触りがよく美しい声にあるのだということを再確認したように思う。非常に繊細なようで、巧みに誘い出し刺激するのだ。
「Do You Want It All?」、「This Is The Life」、「Something Good Can Work」とアルバムをなぞった楽曲でたたみ掛ける。目まぐるしく展開するステージにも誰一人として振り落とされず、フロアからはステージ合わせ大合唱が広がっていく。時としてAlexはギター・ソロとともにしっとりと歌い上げ、かと思えば煽るようにギターをかき鳴らす。大本命の「I Can Talk」では、恒例の“アッオッアアオッ”のコールが沸き起こり、会場内の一体感は最高潮に達していた。
SUMMER SONICで今年2度目の来日となるわけだが、クラブという閉鎖された空間を熱狂させていたことは記憶に新しい。Alex Trimble、Kev Baird (Ba&Vo)、Sam Halliday (Gt&Vo)の持つ絶妙なポップ・センスとエモ―ショナルなサウンドは、フェスの開放的な空間の中でも一方的になることなく、オーディエンスを興奮のうちに巻き込んでいた。ストレートな求心力こそが、国境を越えて躍らせる武器となるのだ。
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