2011年、世界の混沌と怠慢を丸裸にしたアルバム『荒野 / On the Wild Side』。新たな年を迎えようとも、都合よく全てがリセットされるわけではない。だが、未来へと一歩進むことは出来る。本作は、『荒野~』に辿り着くまでの、"今まで"と"今"、そして"これから"を詰め込んだベスト盤。そう、これは、歴史を振り返るものでなく、未来を切り開くためのエッセンスの集合体である。『荒野~』へと辿り着くまでに、彼らの音楽はいかなる時流を描いてきたのか。そして、その時流が指し示す未来、"これから"とは――?新曲「確立の夜、可能性の朝 feat. 前野健太」では、悲しみを受け入れ、越えていこうと説き、同時に自由と優しさを追い求めている。戦いは終わると信じ、次の段階へ歩み出そうとしているのだ。そうして、きっといつか、この"荒野"にも
花は咲く――。
東京を中心に活動中の4人組ロック・バンド CRYAMYが、自主レーベル"nine point eight"から初の全国流通盤となるフル・アルバムをリリースする。今作は、現在は廃盤となっている1st EP『CRYAMY#2』収録曲の再録を含め、新曲も多数収められており、その曲数は全16曲という大ボリュームなものになった。ライヴの定番曲「ten」のバンド・バージョン、歪みが効いたスピード感のある「変身」、生活感の中にどこか哀愁の漂う「やってらんねー」、約8分にも及ぶ弾き語りのバラード「優しい君ならなんて言っただろうね」など、人間的な感情の揺れや衝動、ヒリヒリとしたリアルな感覚が伝わる1枚だ。CRYAMYそのものを体現した作品でもあり、バンドの歴史に残る名盤となるに違いない。