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Japanese
"HIROBA FES 2022×2023 −FINALE! UTAI×BA−" 3月18日(土)LINE CUBE SHIBUYA OPEN 16:30 / START 17:30 出演者:水野良樹(HIROBA)/ 伊藤沙莉 / 大塚 愛 / 亀田誠治 / 崎山蒼志 / 世武裕子 / 橋本 愛 / 長谷川白紙 / 横山だいすけ / 吉澤嘉代子 / Little Glee Monster
ロックンロールやファンク、ニューミュージックにフォークなど、様々なサウンドに乗って少女たちが描く奔放な世界。2015年の1stアルバム『箒星図鑑』は、ティーンの輝きが凄まじい独創性とともに惜しげもなく放たれた衝撃作だった。あれから約3年8ヶ月。吉澤嘉代子が4枚目となるアルバムに設けたテーマは"性"、ひいては"女性"。生々しい性衝動、少女のように無邪気な大人、人間関係のわずらわしさなどが描かれた10の物語は、『箒星図鑑』さながらのサウンドやメロディのバリエーションが魅力的でありながら、明らかに、これまでの作品にはなかった色や艶やユーモアを感じ取ることができる。より豊かに、そして深みを増した吉澤ワールドをじっくり堪能してもらいたい。
ロング・セールスを続けている2ndシングル『残ってる』を絶賛した蔦谷好位置をプロデューサーに迎えた、シンガー・ソングライター 吉澤嘉代子の3rdシングル。"人生の傷跡を肯定するような歌"という「ミューズ」は、これまでにないメッセージ性と解き放たれたようなポップな魅力が新境地を思わせるものに。ストリングスやピアノを使いながら、ダンサブルなリズムや歪ませたギターを加え、意表を突くアレンジも聴きどころだが、ある意味、ウェルメイドなアレンジがそこに収まり切らない歌声の力量、魅力を改めて際立たせているところに耳を傾けたい。カップリングの「おとぎ話のように」は南波志帆に提供した曲のセルフ・カバー。グルーヴィな演奏とともに「ミューズ」以上に奔放な歌声の魅力を味わえる。
高校卒業後、上京しミュージシャン専業になった2021年、さらに多様な表現を自由に突き詰めた印象のあるメジャー2ndアルバム。いわゆるモダン・ラウドロック的なバンド・サウンドは「嘘じゃない」、「逆行」など先行発表曲に続き、「Helix」でさらに進化した。「舟を漕ぐ」などは幼少期の記憶と分かち難いパーソナルな世界観だし、リーガルリリーと演奏も含めコラボした「過剰/異常」の共鳴は清々しいほど。一方、石崎ひゅーいや水野良樹(いきものがかり/Gt/Pf)とのタッグはJ-POPを踏まえ、更新する気概に満ちている。また、毎回楽しみな打ち込み多重録音は、インダストリアル・テクノとマンブル・ラップの混成のようで、表現者のポテンシャルをパッケージ。ジャンル語りの無効さを痛感する。
崎山蒼志との出会いが当時15歳とは思えないギター・プレイと独特の世界観だった人が大半でも、すでにそれは過去だ。彼の何に圧倒されるか? それは、既存の何かと比較する余裕も必要もないほど溢れ出る刹那にだ。ボサノヴァやジャズのコード感と、その意味を剥奪するような我流のカッティング。そして、永遠に終わらないようなミドル・ティーンの憂鬱や覚醒を繰り返す感情と温度や湿度が瞬時に立ち上がる言葉の数々。堂に入ったテンポとカントリーを思わせる、そのジャンル感のある導入に逆に驚く1曲目の「国」も、途中から自在に形を変えていく。唯一のミニマルなDTM作品「龍の子」も彼の脳内を覗くようでスリリングだ。誰のものでもない自分の国。音楽だけが叶えてくれるそれを彼は鳴らすのだろう。
"物語という箱があれば"――吉澤嘉代子が思う、いつまでも歌い続けられる曲とは
2021.05.22 @USEN STUDIO COAST
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