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INTERVIEW

Japanese

KAKASHI

2018年12月号掲載

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Member:堀越 颯太(Vo/Gt) 齊藤 雅弘(Gt) 中屋敷 智裕(Ba/Cho) 関 佑介(Dr/Cho)

Interviewer:秦 理絵

-齊藤さんは、今作の手応えはどうですか?

齊藤:『ONE BY ONE』をリリースしてからの自分たちの現状が詰まってる1枚になったと思いますね。昔のことを歌ってるような作品ではないし。流通盤を出したあとの1月から9月までの自分たちっていうピンポイントな感じです。

堀越:本当にそうね。言われて気づくことだけど(笑)。

-"今の自分たち"っていうところで、メンバー全員すごく頷いてましたけど、具体的には、どういうところに感じますか?

齊藤:日常的な歌詞が多いんですよね。"この1枚で世界を変えてやるぞ!"とか、そういう気はないので。ちゃんと生活をしてる人たちの日常に溶け込む作品なんです。

中屋敷:今回のレコーディングまでにはいろいろありましたからね。最初、レコーディングの予定日が違ってたんですよ。

堀越:そうだ、8月末だったよね。

関:"灯火祭"の前にリリースするはずだったんですよ。

-延期になったんですね。

堀越:"灯火祭"の前に喧嘩したんだよね。で、レコーディングに向き合えなくなって。

中屋敷:"このままじゃ無理じゃね?"ってなって、マネージャーを交えてミーティングをしたりして。

齊藤:喧嘩自体はよくするんですけど......。

堀越:中屋敷はヤバかったよね。

中屋敷:俺はもう"やってらんない!"っていうぐらい深刻でした。

堀越:俺とマサはよく喧嘩をするし、そのぶん腹の底からものを言うけど、中屋敷はあまりそこまで曝け出すことがないぶん、そのときに一気に爆発してた。

中屋敷:今は懐かしい話ですけどね。

-原因はなんだったんですか? 新作の方向性で衝突したとか?

中屋敷:いやいや、些細なことですよ。車の中での過ごし方とか(笑)。

-あぁ、なるほど(笑)。その出来事が曲作りに影響を与えたところはありますか?

中屋敷:多少はあると思います。

堀越:俺はないな。

齊藤:俺もない。

関:俺も思わない。

中屋敷:えっ!? 俺だけ?

堀越:だから中屋敷は(吹っ切れて)ディストーションを踏んじゃったんでしょ?

一同:あはははは!

中屋敷:荒ぶりましたね。普段自分が聴く音楽はそっち系の激しいやつなんですよ。そういうのを出したいと思うようになったんです。それも「ドブネズミ」では無理矢理じゃなくて、ちゃんとハマるところで出せたなっていうのはありますね。

-無駄な喧嘩ではなかったですね(笑)。

齊藤:でも活動には出てるんじゃないですかね。流通盤を出すまでは、ほぼ俺が(バンドを)回してたけど、そこから、みんなで手分けをするようになって。ちょっとずつみんなに責任感も出てきたかな。

堀越:やっとバンドっぽくなってきたんですよね。今まで見えないところで押しつけ合ってるような感覚があったから。各々が責任を持ってやるようになったと思います。

-『PASSPORT』を作るうえで、こういう作品にしたいっていうものはあったんですか?

中屋敷:だいたいそういうのは決めないよね。

齊藤:アルバムに対して"こういうのにしよう"って決めても、(堀越は)作れないんですよ。決めても意味がないから、出てきたものを作るしかないんですよね。

堀越:なんだよ、てめぇ。ムカつくなぁ。たしかに一曲一曲、自分の中で強く感じたものしか作れないから、ミニ・アルバムとしてこういうまとめ方をしようっていうのはないですけど。俺なりにやりたいことはあったし......メンバーに伝わってないのかなぁ?

-いやいや。その"決めずに進んでいくこと"がKAKASHIの良さっていうのは、メンバーもわかってるんじゃないですか?

中屋敷:うん、そもそも"こういうものを作ろう"って決めてから作りたいかどうかですよね。俺は、そこまでそうしたいと感じたことはないし。

関:ジャンルは違えど、颯太にしか書けない歌詞の並びとか言葉遣いとかで一貫性が出てるので、それがKAKASHIですね。