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INTERVIEW

Japanese

ドラマチックアラスカ × ヤバイTシャツ屋さん

2018年12月号掲載

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ドラマチックアラスカ:ヒジカタナオト(Vo/Gt)
ヤバイTシャツ屋さん:こやまたくや(Gt/Vo)
インタビュアー:服田 昌子 Photo by 中尾 友香

-では日頃気になっているけど、聞けていないことはありますか?

ヒジカタ:ずっと稼働してるのに、いつ曲作ってMV撮ってるのか全然見えんから怖いですね。

こやま:自分でもわからん。まぁ、ほんまに追い込まれてるときは寝ずにやるし、でも追い込まれてないときは何も考えへんしっていう。

ヒジカタ:追い込まれてないときはこの1年見てないけど(笑)。

こやま:基本追い込まれてるけど、ギリギリになって(アイディアが)出てくることが多いから、そこまで待ってることが多いかな。

ヒジカタ:その過ごし方がすごく上手。僕とかオン/オフの切り替えができないから、"はぁ~"って言いながら1日結局何もできてないってこともあるけど、こやまさんはダラダラするときはずっとゲームとかしてて、でもバンッてやったらすごい曲ができてる。

こやま:本来オンでないといけない時期もオフになってるときがあるけど(笑)。

ヒジカタ:たまにおかしなってるときはある(笑)。

こやま:ほんまにギリギリのギリになるまでオフにしたろって思ってますけどね。じゃないともたへんから。めっちゃ怒られるまでオフ。めっちゃ怒られたときにオンにする。もともと芸大生気質やからダメなんですよ。芸大生ってそういうものなんですよ......って偏見やけど(笑)。

ヒジカタ:最近周りに芸大(出身)生が多すぎて......。

こやま:ちゃんとしてる人おらんやろ(笑)?

ヒジカタ:たしかにみんな謎めいてんな。

-ヒジカタさんはそういう人と相性がいいんですね。

ヒジカタ:そうかもしれない。高校で馴染めんかって、こじらせてバンド始めて、大学入ったけどやっぱ馴染めんまま卒業しましたもん(笑)。

こやま:芸大生気質なんちゃう?

ヒジカタ:最近、"自分芸大やろ?"って言われる。そういうことにします。学歴が上書きされました(笑)。

-そういう仲間との時間からアイディアも生まれるんですよね?

ヒジカタ:そうです。僕だけやったら、ちょっとあかんかもなって思うことも、こやまさんとかの話を聞いてると、全然ありやなって思ったりする。僕は曲作りに対して制限が多くて自分の中で縛りを作ってたんですけど、そういう音楽業界で、例えば"いっぱい手間やお金をかけることがええんや!"みたいな空気を、こやまさんがアイディアで変えてくれてる。僕、ヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)は"究極の合理化バンド"やと考えてるんです。ライヴもギターだけとかで来るし。まぁ、そのギターはいいのやと思うけど、アンプとかはライヴハウスのやつで......みたいな(笑)。でも、そういう感じなのに、日本で一番大きいフェスの一番大きいステージでやってる。僕が考えてたバンドの当たり前が、全然当たり前じゃなかったんやっていうことに、いつもこやまさんを見てて気づく。全部アイディアでぶっ壊してるよな?

こやま:自分らのやり方でやってますって感じやね。周りからどう見られてるとか、これが正解とかが、あまりわかってないし考えてないし。運が良かったっていうのもある。

ヒジカタ:時代性とかもあるとは思う。僕、「ヤバみ」(2018年1月リリースの2ndフル・アルバム『Galaxy of the Tank-top』収録曲)って曲がヤバTの真骨頂やと感じてるんです。最後の方の歌詞は、昔ながらのやり方がええってことを言い訳にして結果が出なかった人たちに対して、思うことみたいなんが詰まってて......。でもギター・リフとか"ヤバみ"っていう言葉のキャッチーさの方に注目が集まるっていうのも、ヤバTっぽいなと。

こやま:いつもね、僕らの曲を聴いて自分で気づかへんかったところまで解説してくれるんです、ヒジカタは(笑)。僕は音楽的にマニアックじゃないというか知識がある方じゃなく、衝動的な感じでやってる部分が多いんですけど、ヒジカタはちゃんと分析しながらやってるところが多いから、学ぶことも多い。音作りとかもめっちゃこだわってるしね。で、メンバー全員のスキルも高いからできることも幅広い。逆に僕らは演奏の技術の範囲が限られてるから、今このスタイルでしかできひんというか......。まぁ、自分たちに合ってるとは思うんですけどね。でも、ないものねだりというか、うらやましいなって。

-では、いつもはヒジカタさんが分析する側ですが、今日はこやまさんがドラマチックアラスカの1stフル・アルバム『最後のフロンティア』を分析......とまではいかずとも感想をお願いします。

こやま:聴かせてもらいました! リード曲が「THE ONE」やんな。これカッコいい。これ作ってるときも家にいたな。これの話ずっとしてた。

ヒジカタ:いたいた。

こやま:あと、どの曲が好きかな~。でも、やっぱキャッチーなんが好きやねん。「人間ロック」とか「無理無理無理」とか。これって"キャッチーにしよう!"って考えて作ったん?

ヒジカタ:「無理無理無理」は少しそういう感じで、「人間ロック」は"キャッチーさを全面に!"みたいな感じ。ドラマ(フジテレビTWOオリジナル・ドラマ"よろず屋ジョニー")のタイアップがあったから、とっつきやすい曲にしようって思って。

こやま:うん、とっつきやすいよな。僕は基本的にどの曲もカッコ良さより、とっつきやすさを優先してしまうことが多いけど、ドアラはとっつきやすさを排除してでも、自分たちのカッコ良さを追求してるなって思う。で、その中でもこの曲はキャッチーさに重きを置いてるよな。

ヒジカタ:たしかに「人間ロック」はこやまさんのよく言う"よそゆき顔"(笑)。

こやま:その"よそゆき顔"が好き。

ヒジカタ:でもそれが"お茶の間的視点"というか......。どうしても僕は"モノづくり視点"で見てまうけど、こやまさんは1回普通にお客さん目線になれるから、それもすごい。

こやま:基本的に僕らは"お茶の間"やから。でもドアラは(カッコいいを追求しつつ)そのなかで"よそゆき"も作ってて、ちゃんとハマってるからうまいことやってるなと。