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INTERVIEW

Japanese

ヤバイTシャツ屋さん

2018年01月号掲載

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Member:こやまたくや(Gt/Vo) しばたありぼぼ(Ba/Vo) もりもりもと(Dr/Cho)

Interviewer:沖 さやこ

ヤバイTシャツ屋さんはノリと勢いだけの異端児か? そこには待ったを唱えたい。ここまでストレートな正統派で攻めながら、誰もが使える言葉だけで、自分たちにしかできない音楽を作るバンド、実はなかなか稀有ではないだろうか。"楽しいこと"を追求する彼らの楽曲はちょっぴりセンチメンタルな琴線に触れるコード感とメロディで構成され、笑える言い回しの中にさりげなく込められた核心は闇さえも感じる。今回のインタビューはその背景を垣間見られるものになったのではないだろうか。

-なかなかお家に帰れない日が続いているようですが、そろそろ上京も?

こやま:上京したくないです(笑)。(京都に)帰るとほっとするところもあるし、家賃も京都の方が安いし。まぁ......上京は悩むところでもあるんですけど。

もりもと:こやまさんが上京すると言えば行くし、京都にいたいと言うならいるし。こやまさん次第かなと思ってます。

しばた:なんやかんやこのスタイルで1年間やってきたし、いまは地元に住んで活動するバンドも多いし。でも、こやまさんが悩んでるってことは、そういうことなんかなぁと思います。

こやま:んー、京都がいいわ(笑)。

-そんなお忙しいなか、楽曲制作はいつごろ行っていたのでしょう?

こやま:がっつり期間を決めるというよりは、結構、小分け小分けで作って録って......という感じでしたね。だから『パイナップルせんぱい』(2017年9月リリースの5thシングル)のレコーディングと同時期に録った曲も結構あるのかな。あんま覚えてないけど(笑)。「Tank-top in your heart」とか結構前に録ったし。

しばた:空いている日を見つけて"ここで2、3曲録りましょう"って感じでレコーディングしていきました。そういうスケジュールで制作していたのもあって、ライヴ前の練習スタジオで新曲を合わせたりもできたし。"まだ時間がいっぱいある"という状況がすごく良かったですね。一気にレコーディングするより時間的にも気持ち的にもゆとりがありました。

こやま:と言いつつも終盤は結構かつかつで(笑)。最後の方は"あ~......あ~......わー......"って感じでした。アルバムはアルバムでしかできひん、アルバムらしい曲が自然と入れられたなと思います。「気をつけなはれや」とか「ドローン買ったのに」とかライヴでやることとか全然意識してへんし。

もりもと:「ドローン買ったのに」とかアコースティックやし、ライヴどうしよう(笑)。

しばた:しっとりするなぁ。この曲は一瞬バンド・アレンジもやってみたんですけど、これはちょっとなー......と思って。こやまさんの弾き語りの時点ですごく良かったから、それならアコースティックに振り切ろう! と。

もりもと:でもアコースティックだから切ない感じが出たなと思います。仕上がりも全体的に生っぽくて、歌声も素っぽくて。アルバムの中でもリラックスして聴ける曲になりました。

こやま:ライヴのことを考えて作るのはシングルの表題曲くらい。でも結果的にはアルバムには「DANCE ON TANSU」みたいな踊れる曲とか、「Universal Serial Bus」みたいなライヴで盛り上がりそうな曲も作れて――でもシングルの表題曲やカップリングとは違う作り方ですね。"アルバムっぽい"を大事に収録曲を決めました。

もりもと:1stフル・アルバム(2016年11月リリースの『We love Tank-top』)がこれまでのベスト・アルバムみたいなアルバムになったので、過去曲で作らないアルバムってどんな感じなのかな......と思ったんですけど。あんまり完成形を想像して制作を進めなかったんです。

こやま:そうそう。前のアルバムは入れる曲がほぼ決まっていたぶん"こういう曲順ならこういう曲が入りそうやな"みたいに完成形がある程度見えていたんですけど、今回は曲をいろいろ作っていったうえで、それを並べていったから作り方自体が前とは全然違って。実際並べてみたら"2ndアルバムみたい......!"って思った(笑)。粗さもありつつ新しいことをしていて、且つ伸びしろを残している、2ndアルバムといえばこれやなと言えるような作品になりましたね。特別トリッキーなこともしてへんし。それは今後やっていくべきことやと思っています。

-そうですね。スケール・アップしていると思いました。"Galaxy of the Tank-top"というタイトルも含めて。

こやま:前作が"We love Tank-top"やったから、"love"を超えるのは"Galaxy"かなと(笑)。

しばた:かっこいい~! イケメン・ヴォーカリストみたい(笑)!

-今作はもともとヤバT(ヤバイTシャツ屋さん)が持っているメロディやコード感の良さを、音楽性の幅広さが引き立てていると感じました。改めてこのバンドは正統派だなとも思って。

こやま:おっ!

しばた:正統派です!

もりもと:ついに――というか早くもバレてしまった(笑)。

-『パイナップルせんぱい』がリリースされてから1~2週間もしないうちに「Tank-top in your heart」のMVが突如公開されたのもインパクトがありました。

こやま:『パイナップルせんぱい』のリード曲「ハッピーウェディング前ソング」は、「あつまれ!パーティーピーポー」(『We love Tank-top』収録曲)が好きな人向けにああいう感じの曲を狙って作ったもので。でもそれを聴いて"ヤバTまた四つ打ちのノリがいいテキトーな曲作ってるわ"と思う人が出てくるやろなと思ったんで、(スタッフに)ちょっと無理言って"「Tank-top in your heart」のMVは「ハッピーウェディング前ソング」と同時期に公開させてください"とお願いしました。

-「ハッピーウェディング前ソング」がヤバT史上一番と言っていいほど振り切れた楽曲になったのは、「Tank-top in your heart」があったからだったんですね。腑に落ちました。

こやま:そうですそうです。「Tank-top in your heart」は「ハッピーウェディング前ソング」の対になるイメージで作ったんですよね。

もりもと:「Tank-top in your heart」はハードな面が出せたかなと。

しばた:うん。ごりごりな。