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INTERVIEW

Japanese

カミツキ

2018年11月号掲載

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Member:MiZUKi(Vo) キャシー(Ba) SHU→TA(Dr)

Interviewer:山口 智男

2017年3月に1stミニ・アルバム『Five Days After Infection of Vampire』でデビューしてから、テーマにスピード感のある活動を掲げ、カミツキは速いペースでリリースを重ね、ツアーを繰り返してきた。その彼女たちが前作『REAR SIDES HERO』からわずか5ヶ月で3rdミニ・アルバム『Secret Whisper』をリリース。8月に初ワンマン・ライヴを成功させ、本当の意味でスタートラインに立てたと語るカミツキの活動は、ここからさらに加速していきそうだ。人間の五感をテーマにした新作の内容はもちろん、バンドに訪れた変化についても訊いた。

-8月3日に渋谷TSUTAYA O-Crestで開催した["REAR SIDES HERO"TOUR]のファイナル公演("カミツキpresents ~REAR SIDES HERO TOUR FINAL 1st ONE MAN SHOW~ 「噛みついて神ついて」東京編")は、カミツキにとって初めてのワンマン・ライヴとなりましたが、見事ソールド・アウトしました。どんな手応えがありましたか?

SHU→TA:その日は、あっという間に過ぎていきましたね(笑)。頭からいろいろ詰め詰めだったので、内容もそうだし、時間の配分もそうだし。(ワンマンを)やって良かったのは、そこで得るものがいろいろあったこと。"次はもっとこうしたいね。ああしたいね"っていう、ワンマンだからこそ見えたことがいっぱいあったんですよ。演奏面も含め、見つめ直すきっかけになりました。その日の公演は1時間半やったんですけど、やっぱり普段やっている30分のライヴとは根本的に違うので――実は3人の中に長丁場のライヴの経験者がいなかったんです。だから、各々に感じることがいっぱいあったんじゃないかと思います。

キャシー:普段、サポートのギターはひとりなんですけど、ファイナルだけふたりでやったんですよ。だから、ステージングの感覚や音作りが普段と全然違って。そこにだいぶ気を遣いましたね。

-30分が1時間半に増えたという意味では、ヴォーカリストであるMiZUKiさんが一番大変だったんじゃないかと思うのですが。

MiZUKi:"大丈夫なのかな"と思いました(笑)。当日もステージに上がるまで、すごく不安でした。体力面ももちろんなんですけど、メンタル的にも。その日はカミツキの今までの曲をすべてやったんです。だから改めて自分たちの曲に向き合う機会にもなったし、どうやったらお客さんに楽しんでもらえるんだろうってことを、今まで以上に深く考えるきっかけにもなったし、そういう意味では自分たちを見つめ直すことができましたね。

-結果、いい景色が見られたわけですよね?

SHU→TA:はい、ありがたいことに。

-そして、10月24日に3作目のミニ・アルバム『Secret Whisper』をリリースする(※取材日は10月上旬)わけですが、デビューしたときからスピード感のある活動をテーマに掲げていたとはいえ、リリースのペースがどんどん速くなっていませんか?

SHU→TA:基本ツアーが終わってから2~3ヶ月というペースなんですけど、今回は最速かもしれないです。

-前の『REAR SIDES HERO』(1stシングル)は、シングルと言っても4曲入っていましたけど、それのリリースが今年の5月だから5ヶ月しか空いていない。攻めているなって思いました(笑)。

SHU→TA:もう限界です。はははは(笑)。いや、意識しているわけではなくて、自然にこうなっちゃっているんですけど、止まらないことが前提なので。それにツアーごとに"今度はあれやりたい。これやりたい"っていうものが出てくるので、それも含めすぐに形にしたいと思っちゃうんです。もしかしたらせっかちなのかもしれないけど(笑)、それがリリースのタイミングとマッチングしてるんだと思います。

-今回は聴覚、嗅覚、視覚、味覚、触覚という人間の五感がテーマになっているそうですね。

SHU→TA:トラックごとに五感ひとつひとつに対応した5曲が収録されているんですよ。

MiZUKi:1stミニ・アルバム(2017年3月リリースの『Five Days After Infection of Vampire』)、2ndミニ・アルバム(2017年10月リリースの『CLOCKWISE HERO』)と話が繋がっているんです。1stでヴァンパイアに噛まれた主人公が2ndで特別な力を得て、誰かを救うヒーローになるという物語の続きで、今回は自分を噛んだヴァンパイアから主人公が秘密の囁きを受けて、五感が研ぎ澄まされ、第六感が覚醒するというストーリーなんですよ。

-1stミニ・アルバムを作ったときには、そこまで考えていたんですか?

MiZUKi:ぼんやりとは。こういう流れで進んでいくだろうなっていうのは頭の中にちょっとあったんですけど、細部まで全部決まっていたわけではなく、ツアーを回って、いろいろな人と触れ合うなかで得た刺激や自分たちの成長が反映されたことで、最初考えていたものからはちょっと変わっているのかなと思います。

-前2作の延長で五感を取り上げようというアイディアは、どんなところからの発想だったんですか?

MiZUKi:主人公が手に入れた特別な力をさらに上のステージに上げるためには、どうしたらいいんだろうって。そう考えたら、やっぱり自分の感覚をどんどん研ぎ澄ましていかなきゃいけないんじゃないかって思ったんです。

-あぁ、なるほど。今回に限ったことではないと思うんですけど、その五感が研ぎ澄まされていくっていうのは、MiZUKiさんを含めカミツキの感性、感覚が研ぎ澄まされていっているという部分と重なるわけですよね?

MiZUKi:そうですね。前回のツアー(["REAR SIDES HERO"TOUR])ではワンマン・ライヴをはじめ、初めてのことに挑戦することが多かったので、ツアーが終わったときには私たち自身がどんどん成長していて、さらに上のステージへ、という感覚はあって。それを重ねている部分はあります。

-MiZUKiさんが考えるストーリーを、ふたりはどう受け止めているんですか?

SHU→TA:よくそういうことを思いつくねっていつも感心してるんですよ(笑)。それに対して、僕らはリリックを書くわけではないですから、自分たちの楽器でそのストーリーを表現しなきゃいけないというところで、音の抜き差しは結構考えますね。特に今回は、これまでROAのAKABA(Dr)さんとやっていたアレンジを、メンバーだけでやったんですよ。基本的にはいつもどおり(青木)ケビンとMiZUKiで形にしたものを投げてきて、それに対して僕らはどうアプローチするかっていうやりとりだったんですけど、これまでよりもストレートに僕らのアプローチが出ていると思います。