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INTERVIEW

Japanese

Bird Bear Hare and Fish

2018年08月号掲載

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Member:尾崎 雄貴(Vo/Gt) DAIKI(Gt) 佐孝 仁司(Ba) 尾崎 和樹(Dr)

Interviewer:金子 厚武

-BBHFが運命共同体的なバンドというよりも、個性の集まりであることを端的に示していますよね。

雄貴:Galileo Galileiを終了させて、さっき言った期間を経て、メンバーそれぞれイチ個人としての自信と、必要なプライドが身についた気がします。それがセッションのちぐはぐさにも繋がったんだと思うんですけど、それってすごくバンドっぽいというか、ヒヤっともするけど、ワクワクするんですよね。

前回のメール・インタビュー(※2018年5月号掲載)で、バンドの青写真みたいなものは特にないという話だったと思うんですけど、そこもまずは個人ありきで、その融合によって変わるという感じですか?

雄貴:そこはホントにこれからで、今は未知数というか、まだ自分たちもわからないんですけど、それが楽しいんですよね。ジャケット写真のこととかもそうですけど、変な話、すべてそのときの思いつきというか、そのときの感情で動いているので、今はちゃんと生きてる感じがするというか、この4人がそれぞれで歩いてる感じがすごくしてます。

-では、ここでそれぞれの今の音楽的な趣向を話していただきたいと思います。というのも、年明けのwarbearのライヴでCHANCE THE RAPPERのカバーをしてたのが面白いなと思って、単純に最近はどんなのを聴いてるのか気になったので。

DAIKI:僕はインストを聴くことが多くて、David Axelrodとか。最近はみんなでヒップホップを聴くことも多いんですけど、WU-TANG CLANとか、いろんなアーティストがサンプリングで使ってるんですよね。ヒントがあるっていうか、なんでみんなこの曲をサンプリングするんだろうって、そういうのを考えるのが面白くて。

佐孝:東京に来るちょっと前からジャズがすごい好きになったんですけど、入口はWEATHER REPORTでした。で、Jaco(Jaco Pastorius)とかWayne Shorterとかを知っていった感じ。ジャズって学問としての理論体系があって、それを壊したり、再構築したりっていう音楽だから、"弟子"とか"門下"みたいな概念があって、それってロックにはないので面白いなって。で、JacoはJoni Mitchellのバックをやってたりして、ロックやポップスと繋がってるのも面白くて、一時期はジャズのベースを習ってました。

-ある種の流儀がありつつ、一方、現代ではそれこそヒップホップとも繋がったり、どんどんクロスオーバーする面白さもありますよね。

佐孝:そうですね。FLYING LOTUSが若手のジャズ・ミュージシャンたちをゲストに呼んで、一方ではヒップホップの人(Kendrick Lamar、SNOOP DOGG)ともコラボしてたりして。ジャズっていうと古いイメージを持つ人もいるかもしれないけど、全然新しいなって腑に落ちました。

-雄貴さんはどうですか?

雄貴:僕は最近だとFRANCIS AND THE LIGHTSがホント好きなんですけど、仲のいい界隈のアーティストみたいなのがいるから、そこを掘っていくと、急にカントリーにいったり、そういうのが楽しくて。Francis(Francis Farewell Starlite/Vo)さんに連れられて、いろんな音楽の旅をする感覚になるというか。僕は人から入るタイプなんですよね。

-CHANCE THE RAPPERも人から入ったんですか?

雄貴:ヒップホップは、80年代とか90年代よりも、Kanye Westとか、ちゃんとメロディやコーラス・ワークがあって、美しいものに昇華されたヒップホップが好きです。そういうミックスされてるものが好きっていうか、それこそJoni Mitchellがヒップホップで使われてたりするのも衝撃だったし。僕も自分が聴いたものを自分の中で変化させて日本のリスナーに伝えたいと思うから、そういう音楽を聴くと希望を感じるので、そうやって自分が希望を感じられるものをよく聴いてますね。

-和樹さんはどうでしょう?

和樹:僕はどちらかというとポップなものが好きで、YouTubeを漁って、いいのを見つけたらApple Musicでダウンロードするっていうのを延々と繰り返してて、最近だとSIGRIDっていうノルウェーの女の子がすごく良かったです。そういうのも兄ちゃんが作るメロディがポップかどうかの判断基準として役立ってるかなって。


この方面で少しずつ日本での新しいギター・ロックを提示できればと思ってる


-ジャズやヒップホップの話も出ましたが、ニュー・シングル表題曲の「ライカ」に関しては、ある意味、愚直なまでにロックしてる曲ですよね。こんなにギターがガンガン鳴ってるのも珍しい。もちろん広がりのある音像とかに関しては現代的で、フレッシュでありながら、ちゃんと深さもある、今のバンドの状態がよく表れた1曲だなって思います。

雄貴:KINGS OF LEON、STEREOPHONICS、FOO FIGHTERSとかって、ギター・ロックしてて、ポップで、ちゃんと現代的じゃないですか? そういう人たちのライヴ映像を観ると、やっぱりストレートなものってかっこいいなって思うんですよね。気分が落ち込んでモヤモヤしてるときに、スカっとしたものを聴くと、単純に"ロックってかっけぇな"って。そういうアホみたいな気持ちも大事だなって思ったんです。もちろん使ってるコードとか、"他とは違うギター・ロックを作る"っていうルールはちゃんとあるから、いわゆる"ロキノン系のギター・ロック"っていうものからは、とっても遠いものになってると自負はしていて、この方面で少しずつ日本での新しいギター・ロックを提示できればと思ってるので、その一歩として、今回のタイアップは助かったというか(笑)。普通ならこういう音楽を聴かないであろう層とも出会えるっていうのは理想的だなって。

DAIKI:最初はもうちょっとドリーム・ポップっぽい、ふわふわした感じだったんですけど、固まっていくに連れてフレージングも変わっていきました。最初はもっとリバービーでふわーっとしてて、それはそれで好きだったんですけど、"たまにはこういうのもいいよね"って。フレーズも雄貴君とふたりでずっとやりとりをして一緒に作ったので、面白かったですね。"俺、ギタリストなんだな"って(笑)。