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INTERVIEW

Japanese

赤丸

2018年05月号掲載

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Member:大下 直記(Vo/Gt) 清住 雄太(Gt) サカイシンノスケ(Ba) 吉田 昌樹(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-最後の「ゆらり」は和っぽいメロディで、どこか懐かしい感じもするバラードです。

大下:これは赤丸が始まった当初からずっとある曲なんです。それを未だにライヴでもやってるっていう珍しいパターンで。お客さんからも、"いつ「ゆらり」をCDで出すんですか?"っていう要望は前々からあったので、満を持して入れる感じです。

清住:勝負曲ですね。

大下:書いたのは20歳ぐらいのときなんですけど、とにかく風景が浮かぶ、きれいなメロディと言葉を書きたかったんです。ジブリみたいな(笑)。歌詞は東京に来たばっかりで、どんどん友達が離れていくときのことなんですよね。広島から高校を卒業したときに東京に出てきたんですけど、みんなは大学生で、僕は大学に行ってなくて。

-"見慣れたはずの景色が不意に/汚く思えてうつむいた"とか、なんで自分が東京にいるんだろう? っていうような、孤独がすごく表れてます。

大下:西武新宿駅を歩いていたときですね。座って、人が歩いてるのを見てて。

清住:田舎者にはわかる歌だよね。

-最後の「ゆらり」が残す余韻もあって、今回のアルバムで"赤丸ってこんな切ないバンドだったんだ"って思ったのは発見でした。

清住:昔はこういう曲が多かったんですよね。いろいろな曲が増えて埋もれてたけど、1周回って戻ってきたのかなっていう感じはするんですよ。

大下:今回作ってみて思ったのは、やっぱり楽曲の良さがまず大事で、アレンジは二の次だなっていうことなんです。最近の曲はみんな複雑じゃないですか。で、それに惑わされるんですけど、いざライヴをやってみたりすると、そういうことじゃないよなっていう原点にも気づかされたので。そういうものを取り戻せた1枚だと思いますね。

-アルバムのタイトルは、夏らしい曲が多いということで"狂ウ夏集"かなと思いますけど。タイトルに"狂う"と付けるのが赤丸っぽい(笑)。

大下:......のわりに、「紫陽花」で爽やかに始まりますからね。結構ギャップが好きなんですよね。とんでもなく悪そうなバンドが、いきなり「紫陽花」で"切りすぎた前髪気になって/だんだん自分嫌になった"って歌い始める。実は弱い人たちなんだよっていうギャップがいいかなって思ってます。

-では、最後に年末には渋谷CLUB QUATTROの初ワンマンが決まったということで。

大下:かなりチャレンジですね。僕がずっとワンマンを反対してたんですよ。赤丸だけを観てもらうより、いろいろな人とやっていくことで上に上がっていきたいっていうのがあったので。だからワンマンは避けてきたし、やるなら僕が決めた場所でやりたかったんです。

-じゃあ、(渋谷CLUB)QUATTROという場所への思い入れも強いんですか?

大下:やっぱりロック・バンドとしてひとつの目指す場所じゃないですか。

-登竜門というかね。

大下:だから、本当に無理な戦いかもしれないけど......。

清住:果てしなく遠い道ですけどね。

大下:そこをクリアしたら、今の赤丸とは違うものになっていると思うんです。その想いだけでひたすら進んで、QUATTROで終わるんじゃなくて、その続きが見えるような活動をしていきたいと思ってるので。またフル・アルバムでインタビューをお願いします(笑)。