Japanese
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悔しさをバネにバンドの存在を広く届けていくのだという決意を込めた赤丸のニュー・ミニ・アルバム。これまで頑なに会場限定にこだわっていた生粋のライヴ・バンドが、ついに初の全国流通盤に踏み切った。あえてライヴの盛り上がりは意識せずに、試行錯誤しながらも丁寧なアレンジで仕上げた今作は、怒りや混乱、過去の記憶や諦め切れない未来への想いなど、様々な感情が混沌と渦巻いている。前作ミニ・アルバム『the world is mine』の流れを汲んだ「絶叫トランスミッター」に始まり、新たなチャレンジとなったダークなダンス・ロック「ぼくらの」から、追憶のミディアム・バラード「九月の詩」に至るまで、心の中で熟成された言葉にできない感情は、泥臭いロック・サウンドによく似合う。(秦 理絵)