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INTERVIEW

Japanese

赤丸

2018年05月号掲載

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Member:大下 直記(Vo/Gt) 清住 雄太(Gt) サカイシンノスケ(Ba) 吉田 昌樹(Dr)

Interviewer:秦 理絵

-ちなみに今回もそれぞれの曲の原案者は違うんですか?

清住:「紫陽花」と「或ル夏ノ日」はサカイで、「キャラバン」と「ゆらり」は直記、「ダーティーオールドメン」は僕です。

-では収録曲のことを訊ければと思いますが。まず、サカイさん原案の「紫陽花」と「或ル夏ノ日」から。ストリングスを含めて、曲が次々に展開していくあたりが赤丸らしいなと。

サカイ:この2曲の展開はかなり練り込んで、パズルみたいに作りましたね。「或ル夏ノ日」は『the world is mine』(2016年リリースの1stミニ・アルバム)のツアー・ファイナル(2016年7月19日に下北沢SHELTERで開催した[1st mini album "the world is mine"Release tour『最終兵器は誰だ!?』FINAL!!])でもやったんですけど。「ワールド イズ マイン」(『the world is mine』収録曲)ができたあと、僕らとしては"あれよりいい曲ができるのか"っていう不安があったので。この曲があったから続くことができたんですよね。今考えると。

大下:そうだね。

-で、「紫陽花」の方は、まさかストリングスが入るとは思いませんでしたけど。

大下:「紫陽花」は作っていくなかで、後半部分の退屈さが気になってたんですよ。退屈を嫌うっていうのが、僕らのキーワードなんです。何かアクションが欲しいなっていうところでストリングスを入れてみたら、自分たちでもすごく新鮮に聴けたんですよね。

サカイ:たぶん『he said,she said』の前に出してたら、確実にそれはなかったですね。時間が経って、退屈だなと思ったからこそできたアレンジだと思います。

-歌詞では"死にたくなったりして"とか、ネガティヴな感情も書かれてますね。

大下:この歌詞は女子高生の気持ちになって書きました(笑)。Twitterで"死にてぇ"って言ってたと思ったら、"飯がうめぇ"って言ってたりして、すごくこじらせてる子がいて。

清住:感情が忙しいんですよね(笑)。

大下:思い出すと、クラスにそういう子がいたなぁと思ったんですよ。雨が降って、友達に会えないだけで気分が変わる。なんで私だけ、みたいなね。

-それって女子高生だけじゃなくても当てはまりますよね。小さなことを一喜一憂して生きるっていうのは、いくつになっても共感できる気がしました。

大下:あぁ、なるほど。これ、男の人より女の人に人気があるんですよ。タイトルの「紫陽花」っていうのは、花言葉が"移り気"なので、すごくハマった感じはしますね。

清住:僕は、この曲が一番好きです。

-「ダーティーオールドメン」は清住さんの原案ですけども。これ、改めてこの言葉の意味を調べてみたら――

大下:"チ○カス野郎"みたいな感じですよね(笑)。

-"変態オヤジ"って出てきました(笑)。

大下:これは"こじらせたオヤジ"の曲ですよね。歌ってるときも、「紫陽花」は女の人なんですけど、「ダーティーオールドメン」は男の人が思い浮かぶんですよ。

清住:曲を作ったときは、別に"チ○カス野郎"とか思ってなかったですけどね(笑)。自転車で線路沿いを走ってたときに、いきなり頭の中にギターのリフが思い浮かんだんです。

大下:で、スタジオで歌ってたときに、なんとなく"ひょっとして? もしかして?"っていうところが出てきて、それを膨らませたんです。書いてるうちに、"あ、これもこじらせてるわ"って思ったけど、「ダーティーオールドメン」はむしろ自分たちですよね。

-"今日もこうやってボクは歌って"とか出てきますし。

大下:ライヴの瞬間はテンションが上がって頭が真っ白になるぐらい楽しいけど、夜ひとりになると、急に変なことを考えるんですよね。何をやってもうまくいかないなって。僕らはよく喧嘩もするんですよ。くだらないことで、言わなくてもいいことを言っちゃって。みたいな今の赤丸の感じを、そのまま歌詞にしたような曲です。

清住:これは、ライヴでやることも一番多いよね。

サカイ:僕はこれが一番好きです。

-大下さん原案の「キャラバン」もバンドのことがテーマの曲ですよね。

大下:バンドの旅です。やっぱり歌詞を書こうとすると、他に歌いたいことがそんなにないんでしょうね。バンドの進むこの先の道のことはわからないですけど、気づいたらこんな年までやっちゃって。いくつになっても答えは出ないけど、お客さんと一緒に進んでいこうぜっていう。地獄の果てまで付き合ってくれっていう感じですね(笑)。