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INTERVIEW

Japanese

a flood of circle

2018年02月号掲載

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Member:佐々木 亮介(Vo/Gt)

Interviewer:沖 さやこ

前はひとりでトライ・アンド・エラーしていたけど、いまは4人でトライ・アンド・エラーしてる


-渡邊さんが作詞作曲なさったのもその一環ということでしょうか。

"久しぶりに曲書いてみたら?"と言ったらバッと3曲ほど投げてきたので、彼の中でずっと温めていたアイディアはあったんだと思います。仮タイトルが"ナベソング"だったのでいまでも俺の中ではタイトルが"ナベソング"なんですけどね(笑)。8年ぶりのナベソングが収録されることになったのはバンドのいいモードがそうさせたし、ナベちゃんがバンドの空気を作っているうちのひとりだからだと思いますね。最初、トラックだけ送られてきて"ナベちゃんの趣味が全部入ってるな!"と思って(笑)。サビのコード進行とか変なんですよ。

-あぁ、ギターや鍵盤を弾かない人は、動かしやすい運指を知らないから。

シンプルなようでいて意外と手をつけないコード進行。それがすごく新鮮で面白かった。ナベちゃんが上げた3曲のデモのうち、姐さんがいち早く"この曲がいい!"と言ってくれて。音楽理論的にはちょっと突拍子のないところがあったけど(笑)、それが良かったんですよね。お行儀のいい曲を作っても仕方がないし、自分の引き出しになさそうで、面白くなりそうな予感があった。みんなの気持ちが乗ってるならこの曲はいけるなと思いましたね。

-先ほどおっしゃっていた"姐さんがデモを作る"というのは具体的にどういうことなのでしょう?

これまではスタジオである程度作ってから俺がデモを作ってたんですけど、『NEW TRIBE』のツアー中に俺がMIDIキーボードを買って、それで曲作りをするようになったんです。ソロの曲作りもそうだったから、その延長線上でAFOCでも曲を書いてみようと思って。ツアー中に20曲以上できたんです。曲のタイプは本当にばらばらで、コンセプトもないし――とにかく面白いなと思う曲を作っていった。AFOCでは絶対にやらないだろうなと思うChance The Rapper風の曲とか、トラップ・ミュージックっぽいものも作ってて。それをチョイスしてAFOCバージョンにしてくれたのが姐さん、という感じ。

-へぇ、そうだったんですか。

ほんとにピアノと打ち込みのドラムしか入っていないデモを"AFOCでやるならこうじゃない?"と4人で演奏できる形に導いてくれた。だからアレンジには姐さんスタイルが結構入ってますね。

-セルフ・タイトルの意味がとても深い作品だなと。

インディーズ時代の全国デビュー盤がセルフ・タイトルだから、最初は別のタイトルを考えていたんです。でもやるならこれが最後、いましかないでしょう! というのはあったから。付けてしまったら、もうこのタイトルしかないなという感覚ですね。

-ソングライティングの面では、ソロ・アルバムの影響が大きいんですね。

めちゃくちゃあったと思いますね。だから「Leo」という、ソロ・アルバムと同じタイトルの曲を入れちゃったんですけど(笑)。『LEO』を作ったあとにメンフィスのモードのままピアノで曲作りをしたのが「Leo」。最初は仮タイトルだったんですけど、歌詞書いたらライオンっぽくなっちゃったから、ややこしいけどタイトルは"Leo"だなって(笑)。あと、今回はメンバー全員の意見を反映させることを決めていたので、すげぇ時間かかるかもしれない......と思っていたのもあってデモを早めに作って、みんなのアイディアを試せる時間を確保しておきたくて。

-AFOCのパワー・バランスが分散されてきている。

うん。前はひとりでトライ・アンド・エラーしていたけど、いまは4人でトライ・アンド・エラーしてる。トライよりエラーを一緒に経験するのが大事だなと思いましたね。ひとりで作ってひとりで失敗すると行き詰まっちゃうけど、みんなで"これはだめだね"という意見でまとまると、自然とみんなで"じゃあどうしよう?"という思考に移れるから。