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INTERVIEW

Japanese

SILENT SIREN

2018年01月号掲載

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Member:すぅ(Vo/Gt) ゆかるん(Key) あいにゃん(Ba) ひなんちゅ(Dr)

Interviewer:岡本 貴之

SILENT SIRENがレーベル移籍後初めて完成させたフル・アルバムのタイトルは"GIRLS POWER"。3枚のシングル・リリースや、ライヴハウスとホールでの海外を含めた長期にわたるツアー、大型フェスへの出演と、まさに疾風怒濤の1年を駆け抜けてきた彼女たちの作品だからこそ、文句なしで説得力のあるシンプルで力強いタイトルだ。メジャー・デビュー5周年の締めくくりとなる日本武道館2デイズ公演ではバンドの成長を感じさせる貫禄のライヴを見せた4人に、アルバムの話から2018年の抱負まで語ってもらった。

-まず"5th ANNIVERSARY SILENT SIREN LIVE TOUR 2017 『新世界』"は初の武道館2デイズ公演でファイナルを迎えましたが、振り返ってみていかがでしたか?

すぅ:武道館公演は2日間でタイトルが"軌跡"と"奇跡"ということで違ったんですけど、1日日は懐かしい曲をちょいちょい挟んだりして、お客さんを見て感慨深かったり、"バンドやってきて良かった"って思う瞬間が何度もありました。お客さんからも、セットリストも(会場の)空気感もすごく良かったって言ってもらえましたね。ただしんみり終わるというわけではなくて、翌日のファイナルに繋がる感じで。2日目は今までやってきたものをベースにして、今持ってる最高のものをセットリストにして、これからどんなバンドになりたいか、どこを目指して行きたいかっていう意味で"奇跡"っていうタイトルだったんですけど、ライヴハウスを挟みつつファイナルが武道館ということで、演出にも凝っていて、視覚的にもかなりみんながビックリするような演出があったなって。私たち自身もすごくビックリしたりして(笑)。アトラクションとして楽しめる、テーマパークに来ているような感じだけど、音楽が好きな人もカッコいいって言ってくれるライヴだったと思います。2日目も"あぁ、バンドやってきてよかったなぁ"って思いましたね。

-1日日の最後と2日目のオープニングが「フジヤマディスコ」だったことに意志を感じました。

すぅ:「フジヤマディスコ」を1曲目に持ってきたことがなかったので、それもすごい成長だなって。1日日と2日目がちゃんと続く感じになってるのもポイントだったし、1日日の1曲目が「KAKUMEI」(2015年リリースの8thシングル表題曲)という曲だったんですけど、私たちが初めて武道館に立ったとき(2015年1月17日)のために作った曲なので、それをまた武道館でできたっていうのも感慨深かったですね。

-武道館ライヴの翌日もレコーディングをしていたみたいですけど、武道館のライヴについてメンバーで振り返ってみたりする時間はあったんですか?

あいにゃん:そのことについてわざわざ話す感じはなかったですね。いつもは打ち上げで"ここの演奏はどうだった"とかスタッフさんとかとも話すんですけど、今回はツアーの打ち上げがなくて。気づいたらいつもどおりの生活に戻ってるみたいな。

ひなんちゅ:未だにないですから。

ゆかるん:ねぇ? 年末年始かな。

すぅ:忘年会と併せて打ち上げしなくちゃだね。"よう頑張ったなぁ~"って。

-武道館ライヴではシングル(2017年5月リリースの『AKANE/あわあわ』)のカップリング曲だった「Kaleidoscope」が映像の演出(※プロジェクション・マッピング)も相まってすごくカッコよくて印象的だったんですけど、今回のアルバムにも入ってますし、初回限定盤のDVDにはライヴ映像も入っていますよね。本人たち的にも手応えがあったのかなと。

すぅ:「Kaleidoscope」はもともとシングルのカップリングを決めるときに、私たちはすごく推してたんですけど、スタッフさんたちがそうでもなくて。でも、私たちとしては、フェスとかでもやりたいし、ワンマンでももちろん毎回やりたかった曲で。ただ、サイサイ(SILENT SIREN)らしいポップな曲じゃないし、お客さんもノリがわかってないかもしれないから、これは収録しなくてもいいんじゃないかっていうふうに言われてたんです。でも、うちらも好きな曲だし、収録を諦めたくないなって。

ゆかるん:もともとはフェスでやっていく曲としてこれを入れたいっていう感じだったから、スタッフさんたちからは、それだとちょっと違うんじゃないかって言われていたんですよね。曲としてはすごくいいんだけどって。

すぅ:そう。でもツアーで毎回やっていたんですよ。だんだん演奏も安定して、みんな慣れてきたし、視覚と聴覚を合わせてすごくいい曲になったねって言われて。だからライヴ映像を撮ったりして、シングルのカップリングの曲だけどこれからも育つ曲だと見込んで、今回のアルバムにも入れました。

-2017年のサイサイは『フジヤマディスコ』を3月にリリースしてF以降、ものすごく精力的に活動した1年だった印象です。それだけに、今回のアルバム・タイトル"GIRLS POWER"には説得力があると思いました。改めてどんな想いを込めてこのタイトルを付けたのか教えてもらえますか?

ひなんちゅ:今までアルバム・タイトルは"S"始まりだったんですけど、今回はそれをなくして、"こういうテーマでいきましょう"と決めるよりは、"SILENT SIRENの今ってこうだよね"っていうか。ここ(※アルバム資料を指差して)に"単に「女子力」という意味だけではなく......"って書いてあるんですけど、そもそも"女子力"っていう意味は一切入っていなくて。かわいいとか料理ができるとかそういう意味の"女子力"じゃなくて、女子の底力というか、力強いイメージなんです。ジャケ写はピンクを使ったりしているので、そういう意味では"女子力"なんですけど、演奏面とか精神面とかが鍛えられてきたこの5年間の集大成みたいなアルバムになったんじゃないかなって思って、"GIRLS POWER"っていう、簡単な言葉で逆に振り切ってポップなタイトルにすることで、曲とのギャップがあっていいかなって思って付けました。