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INTERVIEW

Japanese

バンドハラスメント

2017年05月号掲載

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Member:井深(Vo) ワタさん(Gt) はっこー(Ba) 斉本 佳朗(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

その名も、バンドハラスメント。現在名古屋を拠点に活動している彼らは、平均年齢21歳の、瑞々しくも強烈な存在感を放つ新進気鋭のバンドだ。このたび発表される1stミニ・アルバム『エンドロール』において彼らが繰り出している曲たちは、どれもオトナとコドモの狭間を行き来するような、鋭敏且つ繊細な感性から生み出されたのであろう、キラキラと輝くような珠玉の仕上がりを見せている。これはぶっちゃけ、目をつけるなら間違いなく今のうちだろう。このタイミングで早々から彼らのことをチェックしておけば、近い将来"バンハラ、最近かなりキてるよね。もっとも、自分は1stミニ・アルバムを出したときから知ってたけどね"と友達に自慢できる特典つきだ!

-なんでも、リーダーにしてドラマーの斉本さんとベースのはっこーさんは、小学校時代からの幼馴染みだったそうですね。

斉本:と言ってもクラスは違ったし、別にそこまで仲良くはなかったんですけどね(笑)。

はっこー:そうそう。中学校に入るまでは単なる顔見知り程度でした。

斉本:でも、そのあと中学で同じクラスになって、部活もたまたま同じラグビー部になって、そこで急に距離が縮まったんです。はっこー君はそのあと、とあるきっかけから不登校になってしまうんですけど、僕はそこから毎日学校帰りにはっこー君の家に通うようになって、またさらに仲が良くなっていきました。僕らはお互い、部活の中でも学校全体の中でも、階層的には下位の方にいた人間だったんですよ。

-それは、いわゆるスクールカーストと呼ばれているもののことですか。

斉本:まさにそれです(苦笑)。そのころ、ちょうどラグビー部のカースト上位の方の人たちの間で音楽やバンドが流行って、"なんか面白そうだな"って自分も興味を持つようになったんです。そして、僕から"ねぇ、僕たちもやってみようよ"ってはっこー君を誘ったのがバンドハラスメントの始まりでした。

-高校でも、斉本さんとはっこーさんは一緒だったのですか?

斉本:いえ。高校は別だったんです。でも、バンドは続けていくことに決めていて、ギターは僕の高校の先輩だったワタさんに入ってもらうことにしました。

ワタさん:僕自身は、個人的に言うとブルース系のギターとかが好きだったりもするんですが、このバンドに入るにあたっては自分の好みどうこうよりも、彼(斉本)の作るメロディとか歌詞が一番よく映えるギターを弾きたいなと思ったのが大きな動機になりましたね。その姿勢は今も基本的にはずっと同じです。

-その後、ヴォーカリストの井深さんとは、どのように出会われたのです?

斉本:高校での3年間は別のヴォーカルとやっていたんですけど、そのバンドはヴォーカルとの折り合いが悪くて解散になったんですよ。そんなとき、以前からたまに対バンしてていいなと思っていた井深君に、"僕らがここから先に進んでいくためには、君の声が必要なんだ"と誘って、彼が当時やっていたバンドから、悪く言うと"引き抜き"ました(笑)。

井深:引き抜くというか、当時僕がやっていたバンドもそろそろ解散しそうだったんですよね。音楽的に言えば、そのバンドとこのバンドでは少しジャンルは違いましたけど、それでも自分にとってこの3人がやっていたバンドは魅力的に見えていたし、地元の岐阜から出て名古屋で活動したいという気持ちも以前からあったので、自分にとってもこのバンドに加入するというのはすごくいい話だったんです。

-かくして、2015年11月にこの4人が揃ったと。同時に、みなさんはバンドハラスメントと名乗り出すことにもなったわけですが、この言語センスがまたなかなか秀逸ですよね。

斉本:そうですか? 僕が最初に"バンドハラスメントにしたい"と言ったときは、バンド内でちょっとしたケンカになったんですよ(苦笑)。

井深:ほぼ3対1でモメました(笑)。

はっこー:大前提として、"インパクトの強い名前がいいよね"っていう話は最初にみんなでしていたものの、さすがに"バンドハラスメント"って聞いたときの言葉に対する嫌悪感はハンパなかったですからね(苦笑)。

ワタさん:僕はまぁ、そこまで反対っていうほどではなかったですけど。

斉本:最終的には、2週間くらいの間を置いたら、なんとかみんなもこのバンド名を気に入ってくれるようになったんですよ。

井深:実際インパクトはすごくあるし、意外とこれはこれで面白い響きだよねってなっちゃいました(笑)。

斉本:ハラスメントというと、どうしても一般的にはマイナスなイメージを持つ方が多いとは思うんです。でも、世の中にはキラー・チューンという言葉もあったりするじゃないですか。ニュアンスとしてはそれと少し近くて、一度でもこのバンドの曲を耳にすると、困るほどずっと頭の中でグルグルと回ってしまうような......そんなイヤガラセにも近いくらいの音楽を作っていこう、という思いがこの名前の根底にあるんです。

-そんなバンドハラスメントの持つ魅力は、このたび発表される1stミニ・アルバム『エンドロール』に凝縮されている印象です。

井深:バンドハラスメントにとって最大の武器は、メロディと歌詞に詰まっているメッセージだと僕らは思っているんですよ。そういう意味で、このアルバムは聴いた人たちが胸をキュッと締めつけられるような音とか、楽しくなれるような音を目一杯に詰め込みながら、自分たちらしく仕上げることができたと思います。

はっこー:僕らのレコーディングは、他のバンドと比べると珍しいことみたいなんですが、全員が全パートの録りにほぼ立ち会うんですよ。中には、レコーディング中にアレンジが変わったりした曲なんかもありました。

斉本:ウチは4人それぞれ好きな音楽もバラバラだし、どんな音楽がやりたいかというよりも"この4人で何か楽しいことがしたい"という気持ちの方がよほど大きくて、むしろそこがこのバンドの基本でありすべてでもあるんです。このアルバムではそこの姿勢も感じてもらえたら嬉しいですね。

井深:あとは、このアルバムを聴いてくれる人たちがそれぞれに"主役"になっていってもらえるといいなと思います。僕らは主役じゃないし、バンドマンをやっているから特別だとかも思っていなくて、全然"脇役"でいいんです。

-そういえば、今作の1曲目は「脇役」ですものね。

斉本:アルバムのタイトルにもなっている、"エンドロール"に名前が載るようなカッコいい主役には、僕らの場合いつまで経ってもなれない気がするし(笑)、別になる気もないんですよ。逆に、一生フツーの人たちやファンのみんなとおんなじ目線でいたいくらいですからね。ただ、だからといってどこかの傘下に入ったり、誰かと一緒に括られるのはイヤなので、"スクールカーストの下層にいた奴でも、頑張ればこれくらいはできるんだよ"っていうところを、ここからバンドハラスメントとして実証していこうと思います!

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