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INTERVIEW

Japanese

指先ノハク

2015年09月号掲載

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Member:清水加奈(Vo/Gt/Key) 木村順子(Gt/Cho) 宮腰侑子(Ba/Cho) 竹内裕美子(Dr)

Interviewer:山元 翔一

都内を中心に活動する4ピース変態系ガールズ・ロック・バンド"指先ノハク"の初の全国流通作品『肴~SAKANA~』をリリースする。一見、キャッチーで耳当たりのよいサウンドなのだがそこはやはり"変態系"と称するだけあり、得体の知れないエネルギーに突き動かされた過剰さや変化球的な突飛さが作品の至るところから感じ取れる。結成から7年の月日を経て異なる趣味趣向を持つ4人が作り上げた今作について、メンバー全員にメールで話を訊いた。

-まずバンドのことについていくつかお聞きしたいのですが、2008年に前身バンド"RADITZ"を結成されたそうですね。大学の軽音部がきっかけとのことですが、その経緯を教えてください。

木村:もともと、軽音サークルで別々のバンドで活動していました。ちょうど大学3年にそのサークルを引退するという時期に飲みの場で私とヴォーカルの清水(加奈/Vo/Gt/Key)がオリジナルやりたいと盛り上がって、コピー・バンドの延長のような形で結成しました。翌日にゆっこ(※宮腰侑子/Ba./Cho)とゆみこ(※竹内裕美子/Dr)を招集したんですが、ベースならゆっこ、ドラムならゆみこってもう決まってましたね。

-2011年11月にこの"指先ノハク"という名前に改名されましたが、改名の理由とこの名前にした理由について教えてください。またこの名前にはどういった意味を込めていますか?

宮腰:結成してからずっとバンド名がなくて、初ライヴが決まったときにThe Burdockという先輩のバンドから妹分としてRADITZと命名していただきました。気に入っていたのですが、こんなにもコミカルな名前なのに、非常にダークで閉鎖的なライヴをしていたんですよ。その差に疑問をずっと抱いていて。これからもずっとこのバンドを続けていくと決めたときに、一旦フラットにしようと思って改名しました。RADITZとして2年ぐらいたっていたし、運よく全国放送のテレビ番組にも出させてもらったこともあって、びっくりするぐらい反響をいただいたんです。せっかく名前を知ってもらったのでかなり悩みましたが、勇気を出しての改名でした。指先ノハクの由来は"指先の拍"、よく音楽に合わせてみんなで指を歩かせて遊んでいたところから来ています。ちなみに最有力候補は"指先タッタカター"でした(笑)。指先ノハクになってからは、ずいぶん明るくなったと思います。

-初の全国流通盤『肴~SAKANA~』のリリースおめでとうございます。結成から7年を経て初の全国流通盤のリリースとなりますが、この7年間はみなさんにとってどのような期間でしたか?

木村:小学校を卒業して、中学で表舞台へ!みたいな感じですかね(笑)。7年は長かったような気がしますがここまでくるまでになくてはならない期間だったと思います。音楽的にも人間的にも成長した期間でしたし、このタイミングでたくさんの方に知ってもらえる機会が増えてくるのかな、と考えると今で本当に良かったなと思います。

宮腰:ありがとうございます! 各々のやること、やりたいことがあって、実は結成してから初ライヴまで1年ぐらいありました。卒業後の数年間は就職組もいたので、土・日・祝日のみ活動というスタイル。バンドに費やす意識の差で、衝突することもありました。だけど、マイペースなりにそれぞれが"指先ノハクをやるのが好きで、この4人で絶対に成し遂げたい"という気持ちをずっと強く抱いておりました。そして応援してくれる方や、背中を叩いてくれる先輩や仲間のおかげで、今では指先ノハクをずっと続けていけることを最優先に考えて活動しています。裕美子の一昨年11月~昨年9月という長期にわたる膝の治療も、長い目でみてその方が絶対いいという決断です。苦しかったけど、とても大事な時期でした。時間がない中での活動は実はいろいろと工夫が生まれたりしていて、今では役割分担がしっかりできてるし、私たちのペースでやりたいことができるようになってきたなと感じています。ちゃんと言いたいことを言って乗り越えてきたし、どんな問題に直面しても、信頼関係がしっかりしているので、これは私たちの強みです。しっかり土台を築いてきました。いざ、ここからという期待に満ち満ちています!

竹内:ありがとうございます! 結成して5年目の時に、私は膝の手術をして1年ほどバンド活動をお休みしていました。正直、手術をする前から不安なことはたくさんあり、リハビリ中も復帰後も、メンバーに対して後ろめたさを感じていました。私がそう感じている中で、3人はいつも私をフォローしてくれて、指先ノハクを続けていくという気持ちが、より強くなりました。復帰後から、今まで以上にライヴ本数を増やしたり、ありがたいことに活動の場も増えていきました。バンド活動をしていく中で、メンバー内で衝突もありましたが、お互いに話し合って認め合って......。その結晶が今回の『肴~SAKANA~』です!これに臆することなく、これからも新しい指先ノハクを作っていこうと思っています!

-エフェクティヴ且つ複雑なフレージングのギターやアグレッシヴなベース、タイト且つ表情豊かなドラムなど、今作を聴いてプレイヤビリティの高さに驚かされました。みなさんが楽器を始めたきっかけや、理想とするプレイヤー像について教えてください。

清水:ヴォーカルになった理由は、とにかく小さいころから家の中でずーっと歌いまくってたからです(笑)。バンドをやりたいと思いついたときはヴォーカル以外はまったく選択肢にありませんでした。尊敬するヴォーカルさんはたくさんいますが、理想とするのは、どんな曲でも"指先ノハクだ"とか"清水加奈だ"とかすぐにわかってもらえるような個性を放てるヴォーカリストになりたいですね。

木村:叔父がギターを弾いていたので私も弾きたいなと思っていました。母のアコギが家にあったので小学3年生のときに初めて遊びで触ったのがきっかけです。そのあとに、中学生のときに初めてライヴハウスに遊びに行った際に爆音の環境に衝撃を受けました。そのあと私も弾きたい!と思って、そこで初めて中学生で自分のギターを買いました。高校の卒業の記念にとコピー・バンドを1度組んでライヴをしたんですが、そのあとバンドを本格的に始めたのは大学になってからです。理想とするプレイヤー像は、この人!という人はいないのですが......あえて言うなら、ポニョです(笑)。ステージでギターを弾いているときだけは、何にも囚われることなく、"自由であること"がこだわりです。また、私は絵も描くのが好きなのですが(水彩画)紙の上に水を垂らしてその上に色を落としてそこにまた違う色を落とすと水の上でだんだん交わるんです。その瞬間がすごく好きで、それをギターでも表現したいと思っています。自分にしか出せない世界観を出すギタリストになりたいなと思いますね。

宮腰:マキシマム ザ ホルモンのライヴを初めて観たときに、とにかく痺れてしまって。大学に入ったら軽音部に入ってホルモンのコピバンがやりたいと思っていました。先輩のバンドに入れてもらってからは、ひたすらスラップを練習していました。もともと私は吹奏楽部でアルト・サックスをやっていて、いろんな音楽や、いい練習方法をたくさん教えていただきました。今、それが非常に活きていると思います。理想は、ファンキーで気持ちいい、曲を最大限活かす名脇役。今最も憧れているベーシストはZAZEN BOYSの吉田一郎さん。なんて言えばいいんでしょう、ライヴで体感した音の凄まじさは、今まで体験したことのないものでした。超かっこいいです!

竹内:ドラムを始めたのは、私の兄がギターとドラムをやっていて、私もドラムに興味を持ったことがきっかけです。バンドを始めたのは、私が短大生のときにメンバー全員が同じ音楽サークルに入ってドラムを始めて、コピー・バンドを組んだことがきっかけでした。表情豊かなドラムと感じてもらえること、とても嬉しいです! ありがとうございます! 私のドラムと、ベース、ギター、そしてヴォーカルの4人で揃ったときに、曲の土台にドラムがいることはもちろんですが、楽器それぞれが主役になるよう、リズムを作っていけたらなと思います。