Skream! | 邦楽ロック・洋楽ロック ポータルサイト

Skream! 公式X Skream! 公式YouTube Skream! 公式アプリ

INTERVIEW

Japanese

NOVELS

2015年06月号掲載

いいね!

Member:竹内 真央 (Vo/Gt) 楠本 正明 (Gt)

Interviewer:奥村 小雪

昨年4月に2人体制となったNOVELS。彼らが5月にリリースしたTSUTAYAレンタル限定アルバム『RENTAL BOOK』に続き、ニュー・アルバム『KICK BOOK』をリリースする。これまでのバンドに対するイメージをいい意味でガラッと覆す、"新生NOVELS"サウンドが詰まった今作を紐解くべく、竹内 真央(Vo/Gt)と楠本 正明(Gt)のふたりにメール・インタビューを敢行。新体制となってからの心境の変化や、今作に込めた想いなど、たっぷり語ってもらった。

-昨年4月に新体制となられましたが、おふたりで活動されたこの1年間はいかがでしたか?

楠本:最初はメンバーがふたりになったことで今後どのように活動していけばいいのかわからずお互い模索しながらでした。しかし改めて真央とふたりでゆっくり話し合うことができたり、いろんな方に相談に乗ってもらうことでメンバーとしてお互いの絆が深まりました。そして韓国でのライヴ、アコースティック・ワンマンなど、新しい挑戦ができて非常にいい1年でした。

-音楽活動における姿勢や心境の変化などがあればおうかがいしたいです。

竹内:姿勢に関しては意外とあまり変わってないんです。ずっと前作を越えようというのと心に残るライヴがしたいという点では。ただ心境的には変わりましたね。ほとんどのことをふたりでfixさせなきゃいけなくなったので(笑)。でもそのおかげで周りの方々のありがたみがより一層重いものになりました。

-ニュー・アルバム『KICK BOOK』に先駆けて、TSUTAYAレンタル限定アルバム『RENTAL BOOK』がリリースされましたね。この2作は同時期に制作されたのですか?

楠本:制作はほぼ同時期でした。この2作連続リリースの案が出たときにまず思ったのは、まず『RENTAL BOOK』を聴いて"ふたりになっても止まってないぜ!"ということを伝えたいというのと、それに間髪入れず、すぐにリリースする『KICK BOOK』で"NOVELSの進化したサウンド、そして「今」を感じて欲しい!"という2点でした。

-『RENTAL BOOK』にのみ収録されている「ナイト オブ ザ リビング ソング」、「ミュージカルチェア」の2曲について教えてください。

竹内:実はもともと「ナイト オブ ザ リビング ソング」はCD化する予定ではなかったんです。この曲はあるイベント用に書いた曲で、むしろそのイベント&その主催者の方にあげようと思って作ったので(笑)、ちょっとイレギュラーな曲なんです。でもスタッフの方々やそのイベントの主催者の方にも"CD化した方がいい、もったいないよ"って言ってもらえて初めて、じゃあ収録しよう!という運びになりました。変わって「ミュージカルチェア」は以前から僕ら主催でプリプロ段階の楽曲(いわゆるデモですね)の先行ダウンロードができるイベントをやっていて、そのダウンロード曲第1弾だった曲なんです。だからやっと本レコーディングしてCDにできたなーという感じです。

-そしていよいよ『KICK BOOK』が6月10日にリリースされますね。まず、インパクト大なジャケットが目を引きますが、このデザインはメンバーさんのアイディアによるものなのでしょうか?

竹内:そうですね、僕が考えました。インパクトというのももちろん課題テーマのひとつだったんですが、ポップ感とダーク感が入り混じったものにしたいというのと、何より今までにやっていなかった新しいことがやりたい!という思いがまず第一にありましたね。

-それは今作の曲作りにおけるテーマとも重なりますか?

竹内:そうですね、重なりまくってます。先ほどのポップ感&ダーク感という観点からいえば、何かポジティヴなものを書くときにはやはり同時に合わせ鏡のように存在するネガティヴな部分も書かないと楽曲の説得力がなくなりますからね。でもそれは今までも自分が楽曲を制作するうえで常々ポリシーとしていた面でもあるんですが、今作の曲作りにはそれが歴代よりもわかりやすく、且つ色濃く反映されていると思います。

-アルバム・タイトルの"KICK BOOK"にはどのような意味が込められているのでしょうか?

竹内:単純に"聴く本"のもじりです(笑)。今までのNOVELSのイメージを"KICK"によっていい意味でぶち壊したいという強い意志もあり、その破壊と同時に再生を、という思いも込めました。

-オープニング・トラックの「バタフライエフェクト」は、これまでにないゴリゴリのエレクトロ・サウンドで、初っ端から驚かされました。構想段階からこういうアレンジにしようと決めてらっしゃったのですか?

竹内:ありがとうございます。そうですね、最初打ち込みのデモを作ってメンバーに持って行ったんですけど、実はこの曲は僕らが去年担当させていただいた"劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising-"のOP候補曲として書いたんです。まぁ結果その映画には昨年リリースしたアルバム『PROTOCOL』収録の「ネメシス」が採用されたんですが、当初その作品のコンテ&台本を読ませていただいたとき、これは今までのタイバニ作品からものすごい進化を遂げているなと感じて、"これは僕らも何かフィジカルに進化しなきゃダメだ"と思い、書いたのがこの「バタフライエフェクト」で。そのあと、今までの僕らのセオリーをいい意味で貫いたバージョンも書いてみようと思い、制作したのが「ネメシス」だったんです。ある意味この2曲はパラレル・ワールドですね(笑)。だから今回のこの「バタフライエフェクト」はあえて言うと"The Rising"をテーマにした初期衝動です。そして新たな挑戦として苦労しました(笑)。