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INTERVIEW

Japanese

wash?

2015年05月号掲載

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Member:奥村 大 (Vo/Gt) 河崎 雅光 (Ba) 杉山 高規 (Dr)

Interviewer:山口 智男

誰彼かまわずケンカを売っているような1曲目の「Hurt me」を聴き、戦慄すると同時に13年の活動歴を持つバンドが作った作品がどうしてこんなに苛立ちでいっぱいなのか興味が湧いた。プレイヤーとしても個性を主張するギター・プレイを閃かせる奥村大がフロントマンを務めるwash?。昨年、新たにトリオ編成になった彼らが前作からわずか1年でフル・アルバム『PURE CURE SURE』を完成させた。前述した苛立ちについて話を聞いてみたところ、このバンドに対するメンバーたちの熱い想いとシビアなリアリズムが伝わってきた。

-結成は2002年だそうですね。どんなふうに始まったんでしょうか?

奥村:ちょうど同じタイミングでそれぞれにやっていたバンドが解散したり活動休止したりした飲み仲間と言うか、打ち上げで顔を合わせてた奴らと最初は"もうロックに疲れたね"なんて、28とか29とか30歳直前だったからそんなことを言いながら(笑)。ちょうどそのころ、トリップ・ホップが流行ってたのかな。俺らの中だけだったかもしれないですけど、それで、"もうロックは終わった。そういうことをユニットでやろう"ってやり始めたんだけど、経験もないうえに、ただロックじゃないものをやりたいっていう否定のキーワードで始まっているから、リバーヴかけてダブっぽいことをやっても全然おもしろくなくて、休憩時間にMETALLICAか何か合わせたらすげえ盛り上がって(笑)、"俺たち、ロックしかできないね"って話になって、"じゃあロック・バンドをちゃんとやろうか"っていうのが始まりです。

-その後、現在のリズム隊のふたりが2010年に加入するまでは結構メンバー・チェンジもあったんですか?

奥村:節目節目でメンバーが入れ替わるバンドで(笑)。実は結成したとき、河崎に声をかけようと思ってたんです。前にやってたペリカンキングが俺、すごい好きだったから。でも、そのとき、ちょうど河崎のバンドが解散したばかりで、"河崎どうなのかな?"って共通の友人に聞いてみたら、"音楽に疲れきってる"ってネガティヴな情報しか入ってこなくて(笑)。その流れがあったんで、前のベースが辞めるってなったとき、もう1回、河崎に声をかけてみよう。最初の直感を信じてみようって誘ってみたら、"しばらくはお試しでやってみて、数ヶ月にどうするか決めよう"って言ってくれたんですよ。それで"ああ、よかった"と思ったら今度はドラムが辞めるって言い出して、その直前に偶然、僕が大好きだったファーマーズってバンドが解散したところだったんで、すかさず河崎に"ファーマーズの杉山はどうだろう?"って言ったんです。そしたら河崎はファーマーズが終わるとき、杉山に"急いでバンドやるなよ。人生かけたバンドがひとつ終わるんだからじっくり時間をかけて、自分の進路を考えろ。焦ってすぐにバンドを組むんじゃない"って話をしてたみたいで。それにも関わらず、その2週間後に"入らない?"って連絡したら。

河崎:"言っていることとやっていることが違うじゃないですか"ってすげえ怒られて(笑)。

杉山:いや、1週間後ですよ。

奥村:それが2009年の暮れで、年が明けてワンマンがすぐあって、そこからふたりとも正式メンバーになってくれて。

河崎:奥村と同い年なんですよ。だから90年代に聴いてきた音楽が、若干ずれてはいるんですけどほぼ一緒で、俺が次に組みたいバンドはwash?みたいなサウンドなのかなって思ってたけど、外から見ててもめんどくさそうなヴォーカルだし、なるべく入りたくないって思ってたんですよ。この歳になって、ややこしいのはいやだなって(笑)。ただ、音楽的には信用してるんで。やってみたらややこしいんですけど、音楽的には通じるものがあると言うか、見ているものだったり、見ようとしているものだったりも近いので、やってますけどね(笑)。

奥村:ありがとうございます。ホントすみません(笑)。

河崎:俺にはないこだわりが奥村にはあって、それはすごいなと思いますしね。

奥村:逆に河崎は俺にないアイディアをたくさん出してくれるんですよ。ただ、いつも突拍子がないからボツにすることもあるんですけど、面白いんで。そういうところがいいですね。

-杉山さんはふたりよりも若いですよね?

奥村:10歳若いですね。

杉山:僕もファーマーズのころからwash?とは仲良くさせてもらってて、ライヴと打ち上げがとにかくすごいと思ってました(笑)。ファーマーズが終わったとき、すぐに誘ってもらったんですけど、曲も知ってたんで、何とかなるだろうぐらいの気持ちで(笑)。

奥村:10歳違うと、たしかに聴いてきた音楽とか育ってきた時代の違いってあると思うんですよ。特に俺ら18、19ぐらいでシアトルのドカーンっていうの見てるし、その直前のマンチェスターのムーヴメントも見てるし、そのあとの終息している様も見てるし。ロック・バンドが最後に元気だったころに1番多感な時期を過ごしてるんですよ。若いロック・バンドがビルボード・チャートで1位になってたころですよね。ただ、杉山は俺がロック・バンドのドラマーに持ってて欲しい要素をちゃんと持ってるところがすごく好きだった。ファーマーズを観ながら、"このドラマー頭がおかしい"って思ってましたもん。だって、ギターがリフを弾いてる最中に前に出てきて、客を煽ろうとしているのか自分が盛り上がろうとしているのかわからない踊りを始めるんですよ。なんだこいつはって。でも、普段話すと物静かで、なんだよ。"どっちなんだよ"って(笑)。